• 健康経営
  • 2020.03.09 (最終更新日:2022.03.26)

健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定

目次

健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定で従業員の身体を守る

本項目は、組織の健康課題や労働環境の改善に向けた計画・具体的な数値目標を設定し、その達成・進捗状況の把握、評価等の実施(PDCAサイクルの構築)を問うものである。
引用:健康経営優良法人 2020(中小規模法人部門)認定基準解説書

健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定は、健康経営優良法人認定基準の第三項目「制度・施策実行」の中にある4つの項目のうちの1つです。健康経営有料法人に認定されるためには、この4つの項目のうち2項目を達成する必要があります。そのため、必ずしも「健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定」をしなければいけないというわけではありませんでした。ですが、健康経営優良法人2021からは、この項目が必須になることが決定しています。

健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定とは何か

健康増進 従業員の健康状態や心理状態を調べることは既に整えられていますが、その結果を受けてどう改善していけばいいのかについては、何通りの方法があり、さらに人によっては何が効果的なのかも変わってくる場合があります。すべての従業員に対して一律に同じ方法を行っていればいいというものではないため、最も難しいとも言えます。
そのため、どこまで具体的な目標を掲げ実践していくのかが重要なのです。それを定めるのがこの項目の意味です。

過重労働防止をするためにはどうすればいいのか

過重労働 日本の企業において、過重労働をしている従業員がいる会社はまだまだ多くあるのが現状です。なぜそうなるのかと言うと、慢性的な人手不足であったり、優秀な人材のところばかりに仕事がふられてしまったりしているという問題があります。
これを解決するには原因を究明する必要がありますが、先ほどの項目と同じで、どうすれば解決できるのか、その解決策は現実的なのかということを検討する場が必要です。特に従業員の心身に直結していることですので、ナイーブな面も含んでおり慎重に行う必要があります。

健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定の適合例

PDCA どういったものが適合されるのかということを例を交えてご紹介していきます。
指標 健康増進プログラムへの参加率
数値目標 前年比 20%向上
具体的な計画 社員のプログラムへの参加率向上を目的とし、部署別に参加率対抗とすることでゲーム性を持たせ、従業員の意識を啓発する。
実施担当部署・担当者 総務部 健康太郎
指標 月の残業時間
数値目標 月平均 10 時間削減
具体的な計画 ノー残業デーを週に 1 日設けることで社内に帰りやすい雰囲気を醸成し、月の残業時間削減を目指す。
実施担当部署・担当者 人事部 健康花子
指標 再検査・精密検査の受診率向上
数値目標 受診率 100%
具体的な計画 受診率 100%を目指し、再検査・精密検査対象者には個別で受診勧奨のメールを送付、返信があるまで定期的に勧奨することで受診率の向上を目指す。
実施担当部署・担当者 総務部 健 太郎
指標 有給取得日数の増加
数値目標 前年比年間平均取得日数 5 日増加
具体的な計画 部署ごとに規定の有給取得数に達していない社員の割合を部長職の評価に反映させる人事制度を導入。
実施担当部署・担当者 人事部 健 花子
引用:健康経営優良法人 2020(中小規模法人部門)認定基準解説書

というようなものが適合例です。その企業ごとに出てきた問題を洗い出し、その問題が一つでもなくなるためにはどうすればいいのかを考える必要があります。
ただし、設定日や達成予定年度を記載する必要はありますが、達成率が悪いからと言って不適合とはなりません。この項目はあくまで、具体的な目標があり、さらに目標に向けて取り組んだ実績があるかないかをはかる項目です。

企業と従業員が一丸となって健康に向けて取り込むことが大事

健康取り組み 健康増進・過重労働防止を行うには、従業員の努力だけでも企業の努力だけでも行うことはできません。従業員が努力をしても企業側が無茶な仕事を振ってくることもありますし、企業側が努力をしても、それを行ったところで従業員には何のメリットもないということもあるからです。

お互いに協力し合い、企業側がしっかりと従業員のヒアリングをしたうえで目標を立てることで、意味のある健康経営を行える事が出来るでしょう。
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