• 健康経営
  • 2021.05.10 (最終更新日:2022.03.26)

採用活動を行うなら、人が入社したくなる健康経営のポイントをアピールする

目次

従業員が最も喜ぶ健康経営はどんなものなのか

健康診断 健康経営を始めている企業は増えてきていますが、それを上手に採用に生かすことができている企業がどれだけあるかというと、そんなにないかもしれません。

健康経営は従業員の健康を考えた経営方法のため、健康経営をしているというだけでも入社を考える新卒者や転職を考える人にすれば魅力的ですが、同じ業界、同じ職種の企業がどちらも健康経営を行っていたら、その人はどちらを選ぶでしょうか?

「健康経営を行っている」と一言で言っても、企業によってどれだけ健康経営を行っているのかには違いがあります。またそれは、健康経営にお金をたくさんつぎ込んでいる企業が優秀という考えでもありません。経営者がどんな意識を持って健康経営を行い、どういったところから従業員の健康を考えているのかということが重要です。

さらに言えば、そうやって社内で行っていることを、どれだけ社外に対して積極的に発信をしているのか、というところも重要な点です。健康経営を重点的に行っていると、従業員は「ここはとてもいい会社だ」と思い、モチベーションも高く長く勤めてくれます。ですが、それを社外に発信していなければ、その会社がどんなにすばらしいことを行っていても気づくことができないので、「入社しよう」「転職しよう」という気持ちにはつながらないという問題があります。

優秀な人材を採用したいと思っている企業であればあるほど、社内で行っている健康経営を社外にどんどん発信していく必要があるということです。社内で行っている健康経営を社外に発信して、他社に真似されたら嫌だなと考えているうちは、健康経営とはどういうものなのかを理解していないのかもしれません。

健康経営は自社だけの幸せを願うものではなく、他社とも協力し合って行っていくものです。採用活動を行いたいと思っている企業であれば、これはとても重要な部分と言えるでしょう。

メンタルヘルス対策の一環として行っている事例

チェックリスト 従業員のメンタルヘルス対策は、採用活動を行う上でも重要ポイントです。ただメンタルヘルス対策がストレスチェックの実施だけでは弱いので、実際に企業が行っている実例をいくつかご紹介します。

・睡眠改善プログラムの実施
「睡眠」と聞くと、健康経営を行っている企業でもそこまでは行っていないというところがあります。ですが、心の問題は睡眠の質を変えるだけで、ちょっとしたストレスでもはねのけてしまうことができるようになるものです。
この企業では、睡眠の質の向上をサポートするために自社で開発したサプリを提供しています。それによって、睡眠の質が上がり、目覚めがよくなり、疲労感も残らなくなったので、働きやすい身体づくりにもつながっているようです。

・ストレス対処力研修
ストレスを感じた時にどうすれば解消されるのかの研修を行っています。仕事をしていれば、どんな会社でも多少はストレスを感じてしまうものです。それをどう流すのかを従業員に研修することで、ストレスを持ち越さない方法を従業員自身が身につけられる仕組みとなっています。

・公私ともにストレス0の環境づくり
職場でのストレスを従業員に与えないようにするだけではなく、プライベートの悩みまでも会社で解決しようとする仕組みです。実際には、経営トップの人たちが従業員一人ひとりと個別に話し合い、解決するためにはどうしたらいいのかをサポートしています。

この他に、食生活改善や運動不足解消のためのプログラムなどもあります。これらはメンタルヘルス対策にもなりますし、その他の健康の要素にも役立つことです。

禁煙対策をしている企業の事例

全面禁煙 受動喫煙対策はすでに国の方針として、どの企業でも行わなければいけないようになりました。ですが企業の中には受動喫煙対策の一環として、社内の敷地内すべて禁煙という風に行っている企業もあります。

タバコを吸わない人からすると、社内の敷地内すべてが禁煙になっていると、とても過ごしやすいものです。ただ、喫煙者からすると、このアピールはマイナスポイントにもつながります。ですが、禁煙対策を行っている健康経営をしている企業は、喫煙者に対して禁煙プログラムを組んだりもしています。

タバコを吸わないことで、どれだけの健康を得られるのか、精神的安定を得られるのか、周りからの評価がどうなるのかということをセミナーで伝えたり、同僚、家族を巻き込んで禁煙ができるようにバックアップしていく仕組みを作り、実際に禁煙ができたら表彰するという仕組みを作っている企業もあります。こういった企業では、経営者のトップがまずは喫煙者から非喫煙者に変わることを示して、従業員にも勧めるようにしています。
ただ、企業のトップクラスの中に喫煙者がおらず、従業員にだけ禁煙を求める場合には、禁煙することでどれだけいいことがあるのかということをしっかり伝えないと不満だけが残る場合もあるので、その場合には禁煙プログラムを作り志願者を募るというような進め方をする企業もあります。

勤務時間のコントロールをしている企業

勤務時間 勤務時間に関しては、国の働き方改革などで残業時間の規定が厳しくなっているため、今現在100時間を超える残業を従業員に押し付ける企業は減ってきましたが、健康経営を行っている企業では、勤務時間をさらにフレキシブルにしている企業もあります。
また勤務時間内に、従業員の健康を向上させるための取組を行っている企業も多く、例えば健康に関するセミナーなどを勤務時間内に行い、健康になることも仕事の一つだというように従業員に伝えているのです。こういった取り組みをしているということは、これから入社を考えている人にとってもプラスになることですので、アピールしていきたいポイントです。

ただ最近は在宅でのリモートワークも増えてきているため、勤務時間のコントロールを企業側で行うのが難しくなっているというところもあります。

リモートワークによる弊害をどのように解決しているのかの事例

リモートワーク 健康経営を行っている企業では、リモートワーク化している企業は多くあります。ですが、リモートワークをすることで問題になっていることがあります。例えば社員同士のコミュニケーション不足によるすれ違いや、運動不足による健康被害などです。

採用活動を行うのであれば、リモートワークを行っているということだけをアピールするのではなく、それによって起こる問題がどのようなもので、それに対して健康経営の一環でこういったことを行っているというところまで伝える必要があります。

例えば、コミュニケーション不足の観点からの事例だと、毎朝グループミーティングをオンラインで行い、仕事以外の会話も行っている企業もあれば、週に1回直属の上司と個別でのオンラインミーティングを行ったり、運動不足解消と絡めてアプリを使って従業員同士が繋がり、グループでどれだけ歩いたかで競い合うということを行ったり、様々な方法を考えて実行しています。

こういったことも、入社を考えている人からすれば、面白いと思う点です。

食生活改善や運動不足解消を行っている事例

食生活 食生活改善や運動不足解消に企業が力を入れているところもあります。食堂のある企業であれば、定食として出すメニューを身体にいいものに変えたり、地産地消の食材を使って野菜たっぷりのものに変えたり、スムージーを出したりしています。食堂がなくても、社内にある自販機で炭酸飲料を置かず、身体にいい飲み物を販売するように変えるだけでも効果はあります。

運動不足解消では、従業員が自然といつもより多く歩くように仕向けたり、運動をしようという気持ちにさせるための仕組みを企業が考えたり、仕事中のストレッチ方法などを動画で配信し、仕事の手を止めて行ってもらったり、仕事を始める前にラジオ体操を行ったりなどをしている企業もあります。とくに運動不足解消のための企業努力をしているところは多く、それぞれの企業によって方法は様々です。採用活動を行うのであれば、自社ではどういったことをしているのかを事細かに書いた方がアピール要素となるでしょう。

若手や優秀な人材が入社したいと思える健康経営をしている企業とは

採用活動 今回の健康経営の事例は、いかに健康経営をすべきかではなく、採用活動を行うときに何をアピールするといいのかという視点でご紹介しました。健康経営はまだまだ手探りなところがあるため、自社内だけで完結してしまっている部分も多くありますが、その健康経営の方法があっていても、多少ずれていたとしても、自社ではこういうことをして従業員の健康増進を狙っているということも、採用活動においては十分にアピールポイントとなる点です。
とくに、他の企業が行っていることもしているものの、それプラス会社独自のものもあるのであれば、それも表に出すことで、これまで来なかったタイプの人材が集まってくるかもしれません。

今の時代は特に、一人一人が「健康」に対して注目をしています。それはつまり、企業がどれだけ従業員の健康のために考えて経営しているのかということを見ている人が増えているということでもあります。何となく周りがし始めているから健康経営をしてみた、というだけでは採用活動においてはプラスになることはもうないかもしれません。採用活動を成功させるためにも、もっと深いところまで健康経営を知る必要がもう出てきています。そうすれば、採用に対する費用を以前ほどかけなくても、優秀な人材が集まってくるかもしれません。

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