• 健康経営
  • 2022.05.06

健康経営優良法人2022が決定!実際の取り組み事例と共にご紹介

健康経営優良法人2022
目次

健康経営優良法人認定を目指して健康経営を推進する

健康経営に取り組む企業に対して、経済産業省は健康経営優良法人の認定を行っています。今年も3月9日に2022年度の認定企業が発表されました。
今回は今年の健康経営優良法人の認定企業と、健康経営優良法人について認定基準やメリットについてご紹介します。

健康経営優良法人とは?

健康経営優良法人は、具体的にどのような企業なのでしょうか。ここでは、健康経営優良法人の認定制度や基準について説明します。

健康経営優良法人認定制度や基準

健康経営優良法人認定制度とは、健康経営に取り組む企業のうち、特に「優良な健康経営を実践する企業」を日本健康会議が表彰する制度です。
歴史はまだ浅く、2017年度から始まり、今年で6度目です。

この制度は、健康経営に取り組む企業を可視化することで、社員や求職者、消費者から「健康経営に取り組み社員を大切にする企業」という社会的な価値を向上させることを目的に作られました。
また、「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つに分かれており、それぞれで健康経営優良法人を認定しています。

認定基準は、以下5つの項目です。

  • 経営方針、理念
  • 組織体制
  • 健康経営を推進するための制度や施策の実行
  • 健康経営の推進に対する効果
  • 法令遵守・リスクマネジメント
5つの項目の中にはさらに小さな15項があり、さまざまな面から厳正なる審査のもと認定されます。
健康経営を推進するだけではなく、それに対する効果はどのくらいあるのか、違法ではないか、健康経営推進によるリスクはないかなども認定基準に入るため、ただ推進するだけでの認定は厳しいでしょう。

健康経営優良法人への認定を目指すのであれば、企業は安全に結果を出せる健康経営をすべきです。

出典:経済産業省

ホワイト500・ブライト500とは

ホワイト500・ブライト500は、ともに健康経営優良法人のうち、上位500位以内の企業を指します。
ホワイト500は大規模法人部門の、ブライト500は中小規模法人部門の上位500位以内です。

認定されるためには、まず健康経営優良法人に認定される必要があります。今年認定されなかった企業は、労働時間や休日・休暇日数の見直しなど、基本的な所から社員が健康に働ける環境を整えるといいでしょう。
また認定された企業も、さらに健康経営を推進するような福利厚生を設置等し、来年度もホワイト・ブライト500へのランクインを目指しましょう。

健康経営優良法人に認定されるメリット

健康経営優良法人に認定されることによって得られるメリットは次の通りです。

  • 消費者や顧客、求職者に良い印象を与えられる
  • 企業価値を向上させる
  • 求職者からの印象が良くなり、優秀な人材を確保できる
  • 健康経営優良法人のロゴを広告などに使える
  • 社員の健康状態が良くなり、業務の効率やパフォーマンスを向上させる

1番のメリットは企業価値を向上させられることでしょう。消費者や顧客、求職者に対して「社員を大切にする企業」という良い印象を与えられます。
また、健康経営は政府が推進しているものであり、真剣に取り組むことで「自社の利益だけでなく社会貢献をする企業」という印象を持たせることも可能です。

求職者からの印象も向上するため、より優秀な人材が集まり業績の向上に繋がります。
さらに健康経営優良法人認定の企業はロゴを広告などに使用可能です。企業に新しい価値を付加し、同業他社との差をつけられるでしょう。

健康経営優良法人2022

2016年から6度目となる今回はどのような企業が認定されたのでしょうか。
経済産業省発表の一覧とともに、今年の健康優良法人認定制度についてご紹介します。

健康経営優良法人2022の傾向

経済産業省によると、今年は「大規模法人」部門で2299法人、「中小規模法人」部門では12255法人が認定されました。
昨年の大規模法人部門は1801法人、中小規模法人部門は7934法人だったため、大規模・中小規模ともに認定数は大幅な増加傾向です。

以下、経済産業省発表の2022年度健康経営優良法人です。

出典:経済産業省

健康経営優良法人認定の企業が行う健康経営

デスク周りのイメージ

健康経営優良法人に認定された法人は、どのような取り組みをしているのでしょうか。
今回は、認定された企業が実際に取り組む事例をご紹介します。

就業中にフィットネスタイムを設ける

株式会社エイジェントヴィレッジでは、働きやすい環境が整っておらず、退職者が多く定着率の悪さが課題でした。
長く安心して働ける会社にするために、健康経営の「社員の健康は重要な経営資源である」という考えに賛同し取り組み始めました。

テレワークによる肩こりや、眼精疲労に悩む社員が増加したことを踏まえて、朝のストレッチタイムや15時から15分間のウェルネスタイムなどを取り入れたり、ウォーキングイベントを実施したり運動時間を増やしました。
それにより、眼精疲労に悩む人が改善するなどの効果が出ています。

がんの長期治療ができる環境作り

株式会社シニアライフアシストでは、もともと有給休暇の取得推進や、残業時間の削減に取り組んでいました。
事業拡大による社員数の増加をきっかけに、さらなる健康経営の推進をしています。

がん治療に関する福利厚生がなかったことから、2021年は長期治療をしながら働ける環境を整えることを課題に設定しました。
具体的には「治療休暇制度」を制定し、がんを発症した社員全員の取得を目標に取り組んでいます。

結果、がん治療中の社員が治療休暇制度を利用して医療機関を受診し、主治医の意見を参考にがん治療中の社員が働きやすい環境を整えられました。
がんは日本人の死因第1位で、3人に1人が発症すると言われており、誰が発症してもおかしくありません。

これから先、就労中のがん患者はさらに増えるとも言われています。しかし最近は医療の発達で、早期発見であれば入院せずとも薬や抗がん剤の治療が通院で可能です。
そのため政府は、企業に対して社員のがん予防や、がん治療のための環境を整えることを推奨してきました。

がんを発症したからといって働くことを諦めさせるのではなく、協力して働きやすい環境を整えるこの制度はまさに健康経営の鏡といえるでしょう。

有休を取りやすい環境を作る

株式会社マルハナでは、以前から「有給休暇取得日数5日」を義務付けることに取り組んでいましたが、取得日数は少なく実績の低さが課題でした。
そこで、1人あたりの有給取得日数を10日に増やすことを目標に健康経営に取り組んでいます。

具体的には年間休日表を利用して業務の「見える化」を図り、有給取得日数が少ない人には個別に取れない理由を確認しました。
また、全社員が参加する会議で有給休暇の取得方法の説明をしたり、特に取得数が少ない社員10名に再度声がけをしたりと精力的に活動しました。

結果は社員の平均年間休日数は10日になり目標を達成しました。疲労がたまった状態を放置すると、仕事の効率やパフォーマンスが落ちるだけでなく、免疫力が下がり病気を発症するリスクが上がります。
そのため、休日をしっかりと取ってリフレッシュさせることは、心身ともに健康な状態で働くために重要なことです。

また社員のワークライフバランスも整い、健康経営を推進させる素晴らしい取り組みでしょう。

禁煙チャレンジを応援する

有限会社新郷運輸では、ある社員が脳内出血で就労不能となってしまったことをきっかけに、健康経営に取り組み始めました。
ドライバーの健康起因事故は脳血管疾患や心臓血管疾患など、喫煙によってリスクが上がる疾患の多さが分かっています。

そのため、2021年は喫煙率を減らすために禁煙チャレンジの応援を始めました。 実施内容は、協会けんぽ埼玉支部が運営する「禁煙チャレンジ」に参加することです。 希望制で参加者を募ったところ、12名が参加しました。

1人につき2名のサポーターがつき、参加者には企業から禁煙パイポを配布したり、禁煙外来の費用を一部負担したり、禁煙達成者には報奨金を支給したりと禁煙がストレスにならないように配慮しています。
結果的には禁煙チャレンジから一ヶ月後の時点で3人が卒煙し、当初45%だった喫煙率は36%にまで減少しました。

喫煙を継続するとがんや呼吸器疾患など、さまざまな健康被害をもたらすため、吸わないことが1番です。
しかし、喫煙者にとって禁煙することはストレスが溜まりやすく、挫折する人が多いことでも知られています。

サポーターをつけたり報奨金を用意したりと、無理なく楽しみながら禁煙チャレンジができる環境を整えることは喫煙者にとって素晴らしい健康経営でしょう。

まとめ

今回は健康経営優良法人2022について事例を交えながら紹介してきました。
今回認定された企業は、社員の健康を守るためにさまざまな努力をしていることがわかります。中にはコストがかかる取り組みもあり、健康経営に踏み出せない企業もあるでしょう。

しかし、健康経営優良法人に認定されることでその後の業績が上がったり、社員一人ひとりのパフォーマンスが向上したりと企業の利益に繋がります。
健康経営では社員の健康を守ることは企業を成長させるための「投資」であると考えており、これから先、同業他社と差をつけて生き残るための重要な手段となるでしょう。

今年認定された企業もそうでない企業も、来年度の認定に向けたさらなる健康経営の推進が必要です。

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