- 健康経営
- 2022.06.08
すぐに実践できる離職防止対策とは?離職原因や取り組み事例紹介
離職理由を正しく判断し、必要な対策を行う
離職防止対策は、「なぜ辞めてしまったのか」という離職理由の実態を正しく判断し、必要な対策を行うことが大切です。今回は、「離職率を下げたい」「若手社員の早期離職をなんとか回避したい」という悩みをお持ちの方に、すぐ取り組むことができる離職防止対策を解説します。
企業が離職防止対策をするべき3つの理由とは?
現状、社員の離職対策をしている企業は少数です。企業が離職防止対策すべき理由は3つあります。
リクルートコストの損失防止のため
離職率防止対策は、同時にリクルートコスト損失防止につながります。企業にとって、従業員が会社を辞めることは、ひとごとではありません。これまでかけた次のようなコストの採算が取れなくなってしまいます。企業のイメージダウンを避けるため
離職率が高く人材が定着しない企業は、「働く環境が悪いのでは」と思われる要因のひとつとなり、イメージダウンにつながります。悪いイメージが定着してしまうと負の連鎖につながります。中長期的な人材育成のため
長期的な人材育成の観点からも従業員の離職は、企業の経営上の問題でしょう。若者の早期離職や幹部クラスの離職は、次世代のリーダー不足に陥る可能性が高まります。そのため長期的な視点でも、企業の離職防止対策は重要です。代表的な離職理由トップ3
離職理由1位【仕事が合わなかった43.4%】
離職理由2位【人間関係が良くなかった23.7%】
離職理由3位【労働条件23.4%】
上記3つは、仕事・人間関係・労働環境の不一致です。新卒の方の場合は、学生生活とガラリと環境が変わるため、切り替えがうまくできないということも考えられます。また仕事のイメージと現実とのギャップが埋められず悩んでいる方もいます。
自ら希望して入社したにもかかわらず、どうして仕事が自分に合わないと感じてしまうのでしょうか。
「仕事が自分に合わない」と思ってしまう理由
すぐに実践できる離職防止対策のポイント
具体的にすぐ取り組める離職防止対策は、離職理由1位(仕事が合わなかった)と2位(人間関係が良くなかった)です。次の3つの方法があげられます。
仕事の技術として、手順・コツ・考え方や心構えがあります。しっかり教えることで、できるようになると自信がつき、適性があると感じるでしょう。それぞれの企業の特性を生かして、マインドセット教育を行うことで、「仕事が合わない」ということが回避できる対策です。
さらに相談のスキルを高めることで、困ったことを解決できる力がつきます。3つのコミュニケーションスキルを高めることで、お客様から感謝を受けたり、上司や先輩が仕事を指導してくれたりするなど、会社での居場所が得られます。
大企業にはメンター制度を導入している企業が多いですが、中小企業には、メンター制度を導入している企業は少数です。メンター制度は、離職を防止するシステムです。まだ導入をしていなければ導入を検討してはいかがでしょうか。
参考:内定者1,004人の意識調査
先輩社員との人間関係を築く機会がほしい 他の内定者との人間関係を築く機会がほしい マナーや仕事の進め方などを教えてほしい 社会人としての基礎を教えてほしい 業界の専門知識や専門スキルを教えてほしい
調査でもわかるように、若者自身もコミュニケーションの機会を求めているのです。約5割の人が、「職場の人とうまくやっていけるだろうか」と不安を抱えています。コロナ禍もあり、職場のコミュニケーションは希薄化しているでしょう。
現在IT化によって、さまざまな便利なコミュニケーションツールがあります。企業は、非対面でもコミュニケーションが取れるツールの拡充も必要でしょう。非対面でのコミュニケーションは、コミュニケーションの低下を防ぐだけでなく、生産性向上にも貢献します。
企業のIT化の積極的導入は、政府が推進している働き方改革にも寄与します。会うコミュニケーションと会わないコミュニケーションの両方の工夫が必要です。
1. 適切なマインドセット教育を実施する
マインドセット教育とは、会社員としての仕事の覚え方・考え方を教育することです。仕事を覚えられないと、仕事ができないと思い、適性がないと感じます。仕事の技術として、手順・コツ・考え方や心構えがあります。しっかり教えることで、できるようになると自信がつき、適性があると感じるでしょう。それぞれの企業の特性を生かして、マインドセット教育を行うことで、「仕事が合わない」ということが回避できる対策です。
2. コミュニケーションスキルを教える
コミュニケーションスキルである報告・連絡・相談のスキルを教えることです。報告・連絡のスキルを改善することによって、上司やお客様から褒められたり、感謝の言葉を頂いたりすることで、成功に焦点をあてます。さらに相談のスキルを高めることで、困ったことを解決できる力がつきます。3つのコミュニケーションスキルを高めることで、お客様から感謝を受けたり、上司や先輩が仕事を指導してくれたりするなど、会社での居場所が得られます。
3. メンター制度の導入
メンター制度とは、上司・先輩以外に相談できる環境のことです。メンター制度の導入によって、離職を思いとどまる確率が高く効果的です。他の部署など人間関係がいくつもできると職場環境に、なじみやすくなるでしょう。実際に上司以外に退職を相談して思いとどまったというケースもあります。大企業にはメンター制度を導入している企業が多いですが、中小企業には、メンター制度を導入している企業は少数です。メンター制度は、離職を防止するシステムです。まだ導入をしていなければ導入を検討してはいかがでしょうか。
コロナ禍における若者の心情の変化
長引くコロナにおいて、就活生や内定者は不安な気持ちを抱えています。内定者意識調査では、次のことが明らかになっています。参考:内定者1,004人の意識調査
調査でもわかるように、若者自身もコミュニケーションの機会を求めているのです。約5割の人が、「職場の人とうまくやっていけるだろうか」と不安を抱えています。コロナ禍もあり、職場のコミュニケーションは希薄化しているでしょう。
現在IT化によって、さまざまな便利なコミュニケーションツールがあります。企業は、非対面でもコミュニケーションが取れるツールの拡充も必要でしょう。非対面でのコミュニケーションは、コミュニケーションの低下を防ぐだけでなく、生産性向上にも貢献します。
企業のIT化の積極的導入は、政府が推進している働き方改革にも寄与します。会うコミュニケーションと会わないコミュニケーションの両方の工夫が必要です。
プラスα離職防止対策の取り組み
離職理由3位(労働条件・賃金)については、制度導入や経営判断が必要なため、簡単には難しいかもしれません。しかし、離職理由が労働条件や賃金に当てはまるようでしたら早期に対策が必要です。
評価・待遇の見直し
評価制度や待遇を見直すことは、離職防止に結びつきます。成果を出している人が正しく評価されることが重要です。そして従業員に納得してもらうことが大切です。正当な評価制度により、給与や評価の不満解消となり、離職防止につながります。柔軟な働き方の制度導入
ワーク・ライフ・バランスを実現するために、柔軟な働き方を導入するのは大切です。育児や介護をしながら働きたい従業員には、必要な制度でしょう。具体的には以下の通りです。職場環境の見直し
残業が多い・休暇が取りにくいことも、従業員が離職を考える要因でしょう。職場環境改善のためにも、長時間労働や有給休暇取得促進などの見直しが必要です。まずは自社の労務実態を把握する必要性があります。労働時間が自己申告制の場合は、長時間労働の適正管理をめざしましょう。またワーク・ライフ・バランスの実現にも注力すべきです。例えば、男性従業員が育休を申し出た際に、人事担当者が育休制度について把握していないというケースもあります。男女ともに仕事と育児との両立が求められる時代です。制度を把握して、適切な対応をすることが求められるでしょう。
健康経営の取り組み事例の紹介
健康経営は、離職の原因となる労働環境改善やコミュニケーションを高めるために最適な経営手法です。まずは従業員の健康のもととなる、職場環境の見直しが離職率低下につながります。さらに「いまどんな不安を抱えているか」などメンタルヘルスケアも充実しています。「健康」というキーワードを通じて、仕事以外のことを話す機会をもつことにも意義があるでしょう。具体的な取り組みは次の通りです。まだ健康経営の取り組みを行っていない企業の方も参考にしてください。
離職防止の対策で一番大切なのは、離職理由を正しく判断することです。現在、大卒の約3割・高卒の4割が離職しています。これは今始まったことではなく、過去30年間変わりません。(厚生労働省発表:離職推移データ)
「ゆとり教育」「大量エントリーや転職時代」だから辞めるという理由ではないということです。SNSの発達により、情報の刷り込みなどで、離職率が誇張されているにすぎません。最近の若者だから辞めてしまうという間違った認識ではなく、自社の離職に対する課題を見つけることが離職防止につながるでしょう。
まとめ
今回は離職防止対策について解説しました。離職防止対策は、多くの企業が直面している問題です。まずは離職理由を明確にし、離職原因を把握したうえで、職場環境の改善・労働条件や評価待遇の見直し・人間関係の3つの視点から見直す必要があります。自社にとって有効な対策を講じることが、従業員の働きがいにつながり離職防止につながるでしょう。
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