- 健康経営
- 2022.05.25
認定基準から紐解く!健康経営優良法人取得のメリットと取得方法
健康経営優良法人の取得についてお悩みではないですか?
「健康経営の重要性は知っているけど、認定って大変そう」
「上司から健康経営優良法人の取得を目標に挙げられたが、どのように進めればいいかわからない」
「従業員のパフォーマンスを上げたい」
などさまざまな理由から健康経営に取り組まれる企業様が増えています。本記事では、健康経営優良法人の取得のメリットや認定を受けるにあたっての手順、認定項目について解説しています。
また実際に健康経営を推進していくにあたり、どのようなところに気をつけていけばいいのか、ポイントを絞ってお伝えしていきます。
1. 健康経営優良法人と取得のメリットとは?
健康経営優良法人認定制度とは、優良な健康経営を実践している企業等を健康経営優良法人として顕彰する制度のことです。
この認定を受けることのメリットとして
- 健康経営優良法人のロゴの使用
- 自治体の公共調達における加点
- 金融機関の低金利融資優遇措置
- ハローワークの求人情報への記載
またこれらは認定を受けることで得られるメリットですが、健康経営そのものを推進する最大のメリットは、従業員の満足度の向上による労働生産性の向上や企業イメージの向上、離職の軽減が挙げられます。
少子高齢化が進む日本で人材確保は長期的な課題です。健康経営を推進することで上記のようなメリットを受けつつ、従業員の生産性向上や人材確保を図り、経営の更なる安定化を目指していきましょう。
2. 健康経営優良法人認定までのステップ
健康経営優良法人を取得するメリットについてはご理解頂けたと思います。次は認定までの流れを確認していきましょう。
実際に取得するための手順は、下の図(真ん中と右)のようになります。
従業員数などで部門が2つに分かれます。実際に健康経営優良法人を目指すためにはどのような手順が必要なのかを見ていきましょう。
※図左は健康経営銘柄の認定フローです。
2-1.「大規模法人部門」の場合
①健康経営度調査に回答する
毎年、経済産業省が実施している健康経営度調査に回答します。 調査票を入手するには、調査委託先から案内される専用URLにアクセスして各企業専用の IDなどを入手する必要があります。②フィードバック・判定を受け取り、申請資格を得る
健康経営度調査に回答すると、 結果をサマリーしたフィードバックシートが返却されます。 認定基準に適合している場合は申請書類が同封されます。③申請書の提出
以上が終われば健康経営優良法人認定委員会による審査を経て、日本健康会議によって認定されます。2-2.中小規模法人
①「健康宣言事業」に参加する
まず社内外への発信という部分で「健康宣言」を行う必要があります。 具体的な方法としては、協会けんぽ等保険者が実施されている健康宣言事業への参加が必要です。協会けんぽのホームページや「都道府県名+健康宣言事業」などで検索していただくと、協会けんぽの都道府県支部のページにて健康宣言事業に関する詳しい説明を見ることができます。
【例】協会健保 東京支部の健康宣言説明ページ
ワンポイントチェック!:もし協会けんぽの都道府県支部で健康宣言事業を行っていない場合、自社独自の健康宣言の実施をもって代替可能になっています。(2022より)
②健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書の作成
認定申請書作成のために、申請用ID発行サイトにアクセスし、企業情報を登録します。 その後専用サイトで認定申請書をダウンロードし、必要事項を入力した電子データを専用サイトにアップロードする必要があります。ここまで終われば大規模法人部門と同じく認定委員会による審査を経て、 日本健康会議によって認定されます。
※申請手続きや認定基準は毎年変更されています。経済産業省の健康経営優良法人認定制度のWebサイトをご確認ください。また、経済産業省のページで認定申請書の内容が確認できるため一度目を通して頂くことをお勧めします。
注意点としては取り組みの中で選択式のものがあるため、自社の健康課題に当てはまる対策のものを選んで活動していきましょう。認定のために活動するのではなく、実際の健康経営の効果を実感するために大切です。
3. 認定スケジュールの確認
申請は毎年スケジュールが組まれています。申請は期限内に行わなければならないため、スケジュールの確認が必須です。
実際に自社の健康課題に対する活動が開始できていることや、自社の健康課題を把握できていることが条件です。認定期間前に認定基準を確認し、実際に活動を始めていることが必要となります。
参考までに2022年度分のスケジュールは下記のようになります。
詳細は経済産業省のHPで当年度分が発表されるため確認の上、活動に取り組んでいきましょう。
<2022 大規模法人部門>
健康経営度調査:2021年8月30日(月)~2021年10月25日(月)17時
認定:2022年3月9日(水)
<2022 中小規模法人部門>
申請:2021年8月30日(月)~2021年11月1日(月)17時
認定:2022年3月9日(水)
4. 認定基準・要件や活動内容
認定までの流れや期間の目安が分かったところで、健康経営優良法人の取得や実際の活動推進にあたって、ポイントになる点をいくつかお伝えさせて頂きます。
認定のためには認定要件を確認し、自社の健康課題と照らし合わせながら活動していくことがポイントです。2022年度の認定要件を確認してみましょう。
※2022 大規模法人の認定要件はこちらになります。
※2022 中小規模法人の認定要件はこちらです。
①組織体制:健康づくり責任者・担当者の設置
大規模法人部門と中小規模法人部門で名称が違いますが、健康づくりの責任者担当者の設置が必要です。 大規模法人部門ではその責任者が役員以上であることが求められます。この健康づくり責任者・担当者に関しては、何かしらの専門資格を持っている必要はありません。理由は健康づくり担当者・責任者が法人全体を巻き込みながら健康経営を推進する必要があるためです。
②選択式の活動について
大規模・中小規模共に、認定のためには認定項目内の一定数の活動・対策を行っている必要があります。各項目を確認し、自社の健康課題とマッチしている点やすでに活動できている項目があるかなどを確認しましょう。また認定要件を見ると分かりますが、対策の検討(目標設定)➡健康課題の把握➡課題に対する活動➡評価・改善の取り組みと一連のPDCAサイクルを回している事が認定の必須条件となります。
制度・施策実行の項目を見てみると、健康経営実践の土台作りとワークエンゲージメント向上のために、
- ヘルスリテラシーの向上
- ワークライフバランスの推進
- 職場の活性化
- 病気の治療と仕事の両立支援
- 保健指導
- 健康増進
- 生活習慣病予防対策
- 感染症予防対策
- 過重労働対策
- メンタルヘルス対策
- 受動喫煙対策
小規模事業者がストレスチェックを行う場合には助成金制度などもありますので、ぜひ活用をご検討ください。
厚生労働省HP こころの耳
まとめ
本記事では健康経営優良法人認定のメリットやスケジュール、認定要件などについて解説しました。
最も大事なことは認定を取るだけでなく、実際に従業員を巻き込み自社の健康課題を経営課題と認識して対策を進めていくことです。
認定をきっかけに、より魅力的な企業づくりに取り組んでいきましょう。
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