- 健康経営
- 2022.10.19
健康経営推進の必須部門!人事業務の重要性と効率化のアイデアを紹介
また、健康経営の観点からも、従業員の健康増進という人に関わる業務に関係する可能性の高い部門でもあります。
健康経営推進に当たって、かかわりの深い人事部の業務改善・業務効率化に取り組む際の方法や考え方についてお伝えします。
人事部門の業務とその課題とは
人事業務の2本柱と
人事業務の中には大きく分けて「人事管理」と「労務管理」の2つが含まれていることが多いです。それぞれについて見ていきましょう。
人事管理
人事管理とは企業の目標達成のために、従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できるような体制やルールを整えることです。
中身としては
などが挙げられます。
採用に関しては企業内各セクションを俯瞰的に見て、全体の方向性や個々人の適材配置などを考える能力が必要です。その他にも、外的な環境、特に法制度の変化や業界のトレンド変化に対応する情報収集能力や対応能力が求められます。
大きな企業では上記の人事部業務のみに従事することもありますが、多くの企業では下記の労務管理も兼務していることが多いようです。
労務管理
労務管理は「人」に関わる点は同じですが、中身には大きな違いがあります。
主な業務内容としては下記の通りです。
- 給与計算や勤怠管理
- 社会保険料関係
- 入職・退職手続き
- 労使・労務トラブルへの対応
- 社内規定の作成従業員
- 健康管理
労務を専門で行う人材や部署があれば、前述の人事業務に集中できますが、 労務管理の業務に時間を割かれてしまうと、本来の人事管理にかける時間が短くなってしまう可能性もあります。
人事業務の課題
- 担当者でもその時間を裂けていない(時間や人などリソース不足)
上記の労務の業務に時間を圧迫され、本来の人事業務に割く時間が取れていないことが課題として挙げられます。
特に採用活動時期、入社時期、社会保険算定の時期、年末調整の時期など労務や総務に関わる業務が忙しい時期になると、より時間が確保しにくくなる可能性があります。
そうなると緊急ではないが重要である教育や能力開発に割く時間が減少し、長期的な損失になっている可能性があります。 - 社員の確保が難しい(少子化等)
人事部の課題の中で外的環境からの課題として日本全体が抱える少子高齢化という労働人口減少の問題があります。 想定している採用人数を確保できなかったり、望むような人材が来ないということが挙げられます。また近年の働き方改革や世代ごとのワークライフバランスに対する考え方などで急な退職などが起こる危険性も以前より高まっています。内閣府の調査でも幅広い業種で人手不足感が高まっているとされています。
労働人口不足によって現在勤めているスタッフへの負担が過剰となり健康問題などが起こることが考えられます。人事担当者に求められることは、人事・労務の業務改善を行うことで、必要な人的リソースを確保するために動ける時間を増やすことが挙げられます。
人事部業務と健康経営
人事部として重要なのは、人事管理を適切に行うことで、従業員のモチベーション管理・パフォーマンス向上を目指すること、またそれにより、組織全体としての生産性を向上させることだと言えます。
その基盤として、健康経営に基づく従業員の健康管理も重要です。
従業員のパフォーマンス向上を目的に人事制度を整えたとしても、メンタルヘルスや生活習慣病などの疾病により、出勤はしているけどパフォーマンスを発揮できない状態(プレゼンティーイズム)に陥ってしまえば、その目的は達成されません。
健康経営優良法人の認定要件の中にも、健康課題の把握など人事部が関わる機会の多い項目が含まれています。
健康経営にから見た、人事業務と健康管理
健康経営の観点から見た人事部が関わるものとして、
- 定期健康診断の受診
- 二次健診や受診勧告
- 保健指導や特定保健指導の機会提供
- ストレスチェックの実施
- メンタルヘルス不調者への取り組み
など多岐に渡ります。これらの要素も人事部と大いに関わりが深いため、人事部はまさに健康経営を支える屋台骨と言えるでしょう。
人事業務の効率化が健康経営に繋がる
前項のように人事部は会社の健康課題に関わる機会の多い部署です。また全体の健康課題に関しても把握がしやすい場所です。
そんな人事部の使える時間が増えることで、自社の健康課題に取り組む時間や、健康経営に時間が増えること予想されます。つまり、人事部の業務効率化は、会社の健康経営に避けるリソースが増えることになるでしょう。
ここでは業務の効率化について見ていきます。
業務の洗い出し・効率化を行う業務の選定
業務改善の考え方として、「ダラリの法則」があります。
業務内での工程や各人の業務を洗い出し、その中での「ムダ」「ムラ」「ムリ」のある要素をピックアップすることで改善点を見つけ出していくものです。
職場の活性化も兼ねて、ワークショップ形式などで現場や各部門の意見を聞きながらピックアップしていくとよいでしょう。
効率化施策3選
①業務フローと年間フロー作成
フロー図などを用いて、業務の工程や各業務の関係性を見える化して、ムダや無理のきている工程を把握します。
どこがボトルネックになっているのかを「ダラリ」の視点でチェックし改善を図っていきます。
また合わせて、年間の定期業務を把握し、定期業務の見直しや煩雑時期の把握を行うとよいでしょう。
フロー図と併せて、煩雑期・閑散期での業務配分など、1年の視点で見た業務改善が図れるでしょう。
②DX化(デジタルツール活用・ペーパーレス化含む)
近年ではデジタルツール活用が国全体でも推進されています。
ツールに関しては、目的や業界に合わせて選ぶ必要がありますが、国としては補助金や助成金があるので調べてみるとよいでしょう。
2022年度であれば、IT導入補助金2022のページで確認するとよいでしょう。
③アウトソーシング
業務効率化を図るうえで、業務内容に応じてアウトソーシングすることも効果的です。給与計算や社会保険関係のアウトソーシングもあります。そうした労務に関わる仕事を外注することで、実際に注力すべき人事や従業員の健康増進活動に取る組める可能性もあるため、検討してみるとよいでしょう。
業務改善で人事部から健康経営推進に努めましょう
本記事では人事業務改善が健康経営を進めるにあたってのリソース捻出に重要という話をお伝えしました。
人事部は会社内の様々な部門に影響を保ちかつ健康経営にも関わる機会の多い部署です。
定期的な業務の見直しやデジタル化アウトソーシング化などを活用して、人事部本来の業務や健康経営に関わる業務に注力できるよう取り組んでいきましょう。
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