• 働き方改革
  • 2020.06.29 (最終更新日:2022.03.26)

働き方改革と健康経営をセットで考えなければしわ寄せがくる

目次

従業員が健康でいることの先にあるものは?

「働き方改革」と言われると、何か新しいことを始めているという風に感じてしまうかもしれませんが、これは労働基準法のことを言いかえているだけです。働き方改革で決まったことは、労働基準法で変更されたものがあるという風にとらえてください。つまり守らなければペナルティがあるということですね。あなたの会社は働き方改革に追いついているでしょうか?

日本の働き方がどんどんと変わっていく

働き方改革 日本における働き方改革が行われるようになった背景には3つの危機からきています。
  • 少子高齢化に伴う労働力不足の危機
  • 長時間労働の常態化による労働参加率低下の危機
  • 多様な働き方への対応の遅れに対する危機

時代はどんどんと変化しているのに、働き方だけは大量生産時代と何ら変化していないため、問題が発生しているのです。

そこで国が働き方改革として7つの方針を掲げました。
  • 非正規雇用の待遇差改善
  • 長時間労働の是正
  • 柔軟な働き方ができる環境づくり
  • ダイバーシティの推進
  • 賃金引き上げと労働生産性向上
  • 再就職支援と人材育成
  • ハラスメント防止対策

これらの内容を、段階を追って変更していくことを決定したのです。
 

働き方改革のスケジュールとは

働き方改革はいわゆる労働基準法のことですので、施行されれば守らなかった企業にはペナルティが与えられ、2019年、2020年と施行されたものもあります。

2019年4月1日に施行されたもの

項目 目的
時間外労働の上限規制の導入 働き過ぎを防ぐ
(中小企業での適用は2020年4月1日)
「勤務間インターバル」制度の導入促進 働き過ぎを防ぐ
年5日の年次有給休暇の取得 年次有給休暇をとりやすくする
労働時間の客観的な把握 働き過ぎを防ぐ
「フレックスタイム制」の清算期間の延長 柔軟な働き方を可能にする
高度プロフェッショナル制度の導入 柔軟な働き方を可能にする
産業医・産業保健機能の強化 労働者の健康を守る
 

2020年4月1日に施行されたもの

項目 目的
不合理な待遇差の禁止 雇用形態に関わらない公正な待遇を確保する
(中小企業での適用は2021年4月1日)
労働者に対する待遇に関する説明義務の強化 雇用形態に関わらない公正な待遇を確保する
(中小企業での適用は2021年4月1日)
行政による事業主への助言・指導等や
裁判外紛争手続(行政ADR)の規定の整備
雇用形態に関わらない公正な待遇を確保する
(中小企業での適用は2021年4月1日)
 

2023年4月1日に施行されるもの(中小企業での適用)

項目 目的
月60時間超の残業の割増賃金率引き上げ 働き過ぎを防ぐ

以上の内容となっています。大企業と中小企業では、大企業の方が先に施行されるというものもあるため、企業規模によってスケジュールが違うというのが大事なところです。

これらのことを、国が決めたからという受け身な姿勢だけで対応していくと、経営方針自体は変わっていないので、どうしてもひずみが出てしまうものです。その結果、より働き手が不利になるということも考えられます。

働き方改革の先に健康経営があると見方が変わる

業績アップ 働き方改革と健康経営を同時に進めていくと、企業の在り方自体が変わってきます。実際に働き方改革だけを行う会社では、従業員の疲弊も溜まってくるため一時的に業績が上がったとしても、その状態を続かせるのは難しいでしょう。

ですが、働き方改革と健康経営を同時に進めていくと、初期費用等で初年度は多少落ち込んだとしても、その後従業員たちの能力を最大限に生かせるようになるため、徐々に業績は上がっていくはずです。

実際に健康経営を初めて業績を伸ばしている企業もあります。

もともと働き方改革は従業員に無理をさせない、誰もが平等に働く環境を作るという目的も含まれています。それに対して健康経営は従業員たちに健康を意識した働き方をしてもらうというものです。そのため、急な働き方改革で無理が生じたとしても、健康経営の考え方があれば、しわ寄せを従業員に擦り付けるというようなことはせず、どうすれば改善するのかというところに考えを持っていくことができ、働き方改革の本質も理解できるようになるでしょう。

健康経営はこれからの日本のスタンダードな考え方になる

健康的な従業員が働いている企業では、どのような日常があると思いますか?

健康経営を取り入れるということは、従業員のためでもありますし、その企業のためにもなることです。
経営方針を変更するのは大変なことではありますが、これからの時代に合わせていくなら、この変動の時期に健康経営に変えてみてはいかがでしょうか?

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