• 健康経営
  • 2020.11.10 (最終更新日:2022.03.26)

社会人が運動不足に陥る理由や対策を紹介!運動を習慣化して健康を目指す

目次

社会人が運動不足に陥る理由とは

運動不足 現代社会人は運動不足の人が多いです。運動不足の原因は、一概に本人の意思だけが理由ではありません。では、その理由はなぜでしょうか?

環境や本人の意識に課題があるケース

体の調子が悪く、病院や整骨院などに足を運んださいに「運動をしてください。」と言われたことがあるのではないでしょうか。ところが、医者からこのように言われてもなかなか運動を始める人はいないのです。

健康を維持するためには、運動が必要不可欠なものだと分かっていてもなお、行動する気になれないわけですね。運動を始める気がおきない理由はなぜでしょうか?たとえば、以下のような理由があります。
 
  1. 運動する時間がないほど忙しいから
  2. 運動すると、身体で痛む部分があるから
  3. 何から始めればいいのかいまいち分からなかったから
  4. 運動が苦手だから

医師から指示を受けてもなお、運動を始めることを億劫に感じていた人は上記のことが理由ではないでしょうか。

特に、仕事で責任のある立場を任されている場合、生活習慣を見直そうと思っても行動に移すのはなかなか現実的ではないことも多いです。

医師の指導に課題があるケース

このように見てみると、基本的に運動を始めないことには本人の意思に問題があると考えがちです。しかし、よく考えてみると「運動しなさい」とは言われるものの「このような運動を、これぐらいの量しなさい」と医師から具体的な指導があることは少ないですよね。

医師が治療の一環として運動のアドバイスをするさいには、複数の問題点があります。
 
  1. 指導に関するガイドラインがなく、指導者がいないから
  2. 指導は報酬に反映されないから
  3. 時間が取れないから
こちらも、根本的な問題ですね。社会人の運動不足を解消していくためには、医師が運動に関するアドバイスをおこなえるような環境を整えることも必要になると思います。

運動が億劫な人へ最初におすすめな運動とは

健康診断の結果がいつもより悪ければ、漠然と「何か、生活習慣の改善を始めなければ」と感じますよね。ところが、とくに病気にかかってしまったわけではないうえに漠然としているので、こんな人ほど面倒を後回しにしてしまいます。

当コラムでも過去にお伝えしましたが、はじめから激しい運動にチャレンジしなくても良いのです。運動を始めるのを億劫に感じる人は、すなわち最初から本格的なスポーツや筋トレなどを始める必要がある、と考えているのではないでしょうか?

今まで運動してこなかった人が、これらの行動を起こすのはハードルが高いです。無理をして足腰を傷めてしまったり、嫌になって挫折してしまったりしかねません。そのため、まずは軽いウォーキングや簡単な筋トレを続けられる量で始めるのがおすすめなのです。

運動が苦手でも、習慣化できる具体的なコツとは

運動 「気合いを入れて運動しようとしたものの、2日足らずで終わってしまった」とか「気が向いたときにやるだけで、結局あまり意味が無い」と悩む人も多いことでしょう。運動が苦手な人が、習慣化するにはどうすれば良いのでしょうか?

まずは目標を決めること

難関な資格の勉強をするにしても、健康のために運動をするにしても、具体的に目標を決めることがおすすめです。考えてみれば、運動を始めた動機がなんとなく健康に良さそうだから・・では、長続きしないのも当然。なんとなく、今日はしんどいからいいや・・と自分に甘えてしまい、続かなくなります。

たとえば、
・大好きな旅行を20年後も続けるために
・仕事を長く続けて家族に迷惑をかけないために
など。趣味のことでも健康のことでも、まず「何のために」行動を起こすのか決めましょう。

日常生活の中で運動を取り入れて習慣化

つぎに、運動開始のハードルをなるべく下げることがポイントです。ハードな運動はやはり辛いので、その分挫折しやすい特徴があります。ランニングや筋トレ、ダンスなど本格的なものを最初から始めようとしない方が良いのです。

たとえば、いつものテレビ番組を観ている間につま先立ちを取り入れるのはいかがでしょう。つま先立ちのやり方は以下の通りです。
 
  1. 椅子などの安定したものにつかまった状態で、足を肩幅程度開く
  2. ゆっくりとかかとを上げてつま先立ちをする。ゆっくりと4秒数えている間にかかとをなるべく高く上げる。理想は、床と足の裏の角度がだいたい90度になる程度。
  3. 上げたときと同じく、4秒使ってかかとを降ろす。

何も、難しいことはありませんよね。つま先立ちをすれば、ふくらはぎの筋肉を鍛えられます。筆者も、料理をしているときの待ち時間や、歯を磨いているときなどに取り入れていますよ。

つま先立ちには、認知症のリスクを下げる効果が期待できます。脳の異常は、認知症の発症より20年以上も前から起こっていることが解明されてきました。運動しながら脳を使うことは、認知症のリスクを下げると言われています。

エレベーターを使わずに階段を下りるのもおすすめです。階段を使っての運動と言われれば、「上りのときに階段を使わないとだめ」とのイメージが強いのではないでしょうか?しかし、階段を上るのがどうしても辛く感じる人は、下るだけでも効果が期待できるのです!これは、なかなかの朗報ですよね。

実はこれ、NHKの番組で実際に実験がおこなわれています。階段を上るチームと下るチームに分けたところ、下るチームの方は筋肉痛で朝が辛いと言っていたのです。しかし、登るチームの方は、思っていたより筋肉痛を感じないとの結果。

階段を下る場合、上りのときのように心臓や肺に負担がかからないかわりに筋肉に負担がかかるとのことです。下りでは足のブレーキが効くので、太ももの前面に負担がかかるわけですね。階段の上りと下りでは、使う筋肉に違いがあるとの素晴らしい発見でした。

これらの運動なら、時間がなかったり億劫であったりしても、始められるのではないでしょうか。

参照:NHK「美と若さの新常識」より

家で簡単にできる有酸素運動4選

運動 運動は、外に出てするものというイメージではないでしょうか?有酸素運動の中には、家で簡単に取り組めるものも多くあります。ここでは、家で簡単に取り組める有酸素運動を3種ご紹介します。

1.ラジオ体操

ラジオ体操は、学生時代に体育の授業でした人も多いのではないでしょうか?簡単な動きのように感じますが、実は頭の先から一通り体を動かせる優れた体操なのです。「難しい運動を始めるのは億劫」な人でも、ラジオ体操なら続けられそうと感じた人もいることでしょう。

ラジオ体操は、以下のポイントをおさえて1951年に作ったものです。

・場所を問わずにどこでもできること
・誰でも簡単にできる体操であること
・音楽に合わせながら軽やかに楽しめること

3つのポイントからも分かるように、誰でも簡単に取り入れられる体操です。あなたもよく知っている「ラジオ体操第一」では、腕や足を伸ばしたり関節を大きく動かしたりするエクササイズがあります。普段の生活で、関節を大きく動かすことってあまりないですよね。ラジオ体操第一を、いつもの生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

2.踏み台昇降

家で簡単にできる有酸素運動の代表的なものが踏み台昇降です。踏み台昇降は、動きも簡単で運動のためのスポーツも必要ありません。踏み台昇降では、血管の多いふくらはぎを鍛えます。そのため、血流が促進され冷え性の緩和が期待できるのです。

また、肩こりの原因が筋肉の硬直である場合、肩こりの緩和に繋がります。踏み台昇降で腕を振ると、肩甲骨周りの筋肉を適度にほぐすからですね。

踏み台昇降の手順を紹介します。
 
  1. 姿勢を正して、段差の前に立つ
  2. 右足から左足の順に、一段登る
  3. 右足から左足の順に降りる
  4. この動きを10分間継続する。登り降りするときは、腕をしっかり振る
  5. 1分間の休憩をする
  6. 1から5の手順を2セットおこなう

踏み台昇降をおこなう前後には、ストレッチをしましょう。固まった筋肉へ急激に負担をかけると、ケガに繋がる可能性もあります。また、疲労した筋肉をそのまま放置するのも良くありません。正しいストレッチをすることが、ケガの防止に繋がります。

3.フラフープ

フラフープは、子どもの頃に遊んだきりとの方も多いのではないでしょうか?周囲1m以内に物がなければ、家でもできる運動です。

フラフープの手順を紹介します。
 
  1. くびれの部分までフラフープを移動させる
  2. 5分間、右回りで回転させる。このとき、腰をメインに動かすイメージでおこなう
  3. 2分間休憩をする
  4. 5分間、左回りで回転させる
  5. 2分間休憩をする
  6. 1から5の手順を2セットおこなう

回転させるときは胸から上が動かないようにし、両手を肩から横に伸ばすのがフラフープのコツです。フラフープを回すのに慣れたら、回転スピードを早くして5分間おこないましょう。サイズ調整のできるフラフープなども販売しているので、興味があれば試してみるのもいいのではないでしょうか?

4.ヒップリフト

ヒップリフトでは、お尻や腰の筋肉を鍛えられます。ヒップリフトの手順を紹介します。
  1. 仰向けに寝る
  2. 手を30度ぐらい開き、リラックスした状態で足を90度に曲げる
  3. 足の膝とお腹が直線になるまでしっかりとお尻を上げ、一旦停止
  4. 大臀筋の伸び縮みを感じながら、しっかり呼吸する
  5. お尻を下げる

ヒップリフトで大切なのは、手順3でお尻を上げたら停止することです。このことをしっかり意識しておこないましょう。

有酸素運動を効率よくおこなうには?

運動 運動が習慣になると、「もっと効率よく運動したい」と思う人もいることでしょう。有酸素運動を効率よくおこなうには、どのようなポイントがあるのでしょうか?

有酸素運動は毎日しない方が良いはNG

有酸素運動を毎日すると、体が負担に慣れてしまったり筋肉疲労を起こしたりするので良くない、との話があります。しかし、国立健康・栄養研究所の発表では、健康な人でも1日1万歩ウォーキングすることを推奨しているのです。また、1週間に合計60分のエクササイズをすることもおすすめしています。そして、その中で歩行は有酸素運動です。

メタボリックシンドロームの人には、軽く汗を掻くような運動30分を週に5回以上することを推奨しています。有酸素運動をおこなう頻度は高い方が良いとのことですから、毎日しない方が良いというのは間違いだと分かります。

参照:運動・身体活動指導のポイント

有酸素運動は1日30分から60分するのがおすすめ

有酸素運動をおこなう時間の基準は、1日30分から60分がおすすめです。生活習慣病のある人に対しても、1日30分以上、できるだけ毎日を推奨しています。とはいえ、運動を習慣づけるところから始めた人に、これだけの時間続けるのは難しいことでしょう。

継続時間より、1日に運動へ取り組む時間もたいせつなのです。ですから、1回15分を2~4回に分けておこなう方法でもいいわけですね。1時間と聞くと、一見長く感じますよね。しかし、時間を分けて取り組めばいいので、習慣化するところから始めた人でもそれほど難しくないのではと思います。続けられるようになってから、1回で30分以上継続してください。

有酸素運動と無酸素運動の違い

有酸素運動はよく聞きますが、無酸素運動はあまり聞いたことが無い人も多いのではないでしょうか。この2種類の違いには、まず体内へ酸素を取り込むかどうかがあります。体内に酸素を取り込み、脂肪を燃やして発生した物質でエネルギーを作り出すのが有酸素運動。

対して、酸素を使わずに筋肉を収縮させるためのエネルギーを作り出すのが無酸素運動です。無酸素という名前ですが、もちろん酸素を使わないとの意味ではありません。

無酸素運動では、速い運動ができたり強い力を出せたりします。そのかわりに、短時間しか続けられません。無酸素運動では、速く強い力が出せる速筋を使います。速筋は、無酸素運動で働く筋肉なので年齢を問わず筋力を強くすることができるのです。有酸素運動だけではなく、無酸素運動も健康維持に必要だと言えます。

企業がおこなう健康経営の取り組みを参考にしてみよう

運動 運動を習慣づけるのが苦手な方は、転職の機会に健康経営を実施している企業をチェックするのがおすすめですよ。なぜなら、従業員が健康活動を取り入れやすいように工夫をしている企業があるからです。そのような状況に行けば、運動に取り組むハードルも自然と低くなるのではないでしょうか。

株式会社JTBベネフィットは、健康経営の一環として従業員に健康習慣をつける取り組みをおこなっています。紅白健康合戦と名付け、健康リテラシーの向上を目指しているのです。紅白健康合戦では、二ヵ月に渡り従業員が2つのチームに分かれて活動します。

あらかじめ個人が登録している健康習慣を記録し、SNSに参加している感覚で健康活動が実施できるのです。習慣づけるためには、取り組みやすさ以外に環境が整っていることも重要。

周囲の人間が同じ目標に向かって積極的に活動していることで、自分のモチベーション維持にも繋がります。また、健康活動の達成度に合わせたバッジを貰うことができます。頑張った成果が目に見えることで、よりやる気を持って取り組めるわけです。

そのほかの企業では、健康増進に関する活動や定期健診の結果をポイント化し、ボーナスとして支給する制度があります。こちらも、頑張った成果が目に見えるのでもっと頑張りたいと思える制度ですね。健康に関して、組織的に取り組むことによって本人が行動するきっかけとなります。

1人の従業員に病気が見つかったことから、健康診断の検査費用を全額会社負担にしたり重症化の予防を積極的に実施したりする企業もあります。生活習慣病の早期発見は、命に関わることだから社員だけに限らずパートの人にも健康診断を受診して欲しい、と考えているのです。

まとめ

社会人が運動不足に陥る理由には、意思の弱さのほかに環境が原因となっている場合もあることがわかりました。しかし、紹介した通りハードな筋トレなどをする必要はありません。つま先立ちや階段の下りなどは、普段の生活で簡単に取り入れられるものです。

最初は、日常生活に少しずつ取り入れるところから始めて、習慣化したら時間を増やしていけばいいのですね。運動は、自分自身の健康に関わる需要なこと。そのことを今一度考えて、運動習慣を身につけてみてはいかがでしょうか?簡単なことを意識できるかできないかが、今後の健康に関わってくるのです。

関連コラム

問い合わせ
各種取材やサービスに関することなど、
お気軽に問い合わせください。