• 健康経営
  • 2022.08.22 (最終更新日:2022.08.24)

特別休暇とはどんな休暇?導入する企業側のメリットと事例、ポイントをご紹介

ワーケーションする女性
目次

皆さんの会社にはどのような特別休暇が設けられているでしょうか?
時代の流れに伴い、各社さまざまな特別休暇の制度が作られるようになっています。
従業員のニーズに合わせた特別休暇を設定することで、従業員の働きやすさだけでなく、勤続年数の延長やワークエンゲージの向上などさまざまなメリットが見込めます。
今回は特別休暇導入のメリットや導入事例・導入方法などを詳しくお伝えします。

特別休暇とは

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特別休暇の概要

特別休暇制度とは、労使による話し合いを通じて、休暇の目的取得形態を任意に設定できる法定外休暇のことを指します。病気休暇やボランティア休暇などの他に、広く普及している慶弔休暇や夏季休暇なども企業により設定された特別休暇です。

各企業が決定できるため、内容もさまざまで有給・無給なども企業側で決定する事ができます。

法定休暇と特別(法定外)休暇の扱い

上記の法定外休暇に対して、法定休暇というものもあります。こちらは年次有給休暇や育児休暇、子の看護休暇など、それぞれ対応する法律により定められた休暇となります。

 こちらは取得条件や日数の上限などは法律により規定されています。

特別休暇を導入する企業側のメリットとは

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1.従業員のワークエンゲージメント維持・向上

特別休暇を設けることで、従業員が安心して働くことができます。例えば結婚や葬儀などがあった際に、慶弔休暇が無ければ有給を消化して参加することになります。

この際に従業員の心境としては、一般に普及している慶弔休暇が無い企業ということでのマイナスイメージが強く、ワークエンゲージメントの低下に繋がりかねません。

そのため同業他社や一般的な企業が設定している特別休暇は設けておく必要があります。

2.採用時のアピール・リクルートへの活用

昨今の働き方改革の推進や新型コロナウィルス流行やに伴って、各社様々な特別休暇を設定するようになっています。特に従業員のニーズにマッチするような特別休暇を設定できれば、採用において他社に対して優位性になります。

3.助成金が活用できることも

厚生労働省が設定している「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」というものがあります。この助成金コースは生産性を向上させ、 時間外労働の削減・年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた、環境整備に取り組む中小企業事業主に対する支援と設定されています。


助成内容としては厚生労働省や各労働局のHpなどに記載されていますが、その助成内容の中に

交付要綱で規定する特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇)のいずれか1つ以上を全ての対象事業場に新たに導入させること。

という文章もあり、特別休暇の導入が助成金支給にも関わっています。

これらの特別休暇を導入予定であれば、上記助成金コースの活用を検討してみてはいかがでしょうか?

特別休暇の事例にはどんなものがあるか?

ワークライフバランスを示すブロック

代表的な特別休暇

一般的な特別休暇として、病気休暇・ボランティア休暇・リフレッシュ休暇・裁判員休暇・被害回復のための休暇などが挙げられます。

病気休暇

長期にわたる治療等が必要な疾病等、治療を受けながら就労する労働者をサポートするために付与される休暇です。治療・通院のために時間単位や半日単位で取得できる休暇制度の設定や、療養中・療養後の負担を軽減する短時間勤務制度等を設定することも考えられます。

ボランティア休暇

ボランティア休暇とは、労働者が自発的に無報酬で社会に貢献する活動を行う際、その活動に必要な期間について付与される休暇で、「社会貢献活動休暇」と呼ばれることもあります。

事業主は地域活動、ボランティア活動などに参加する労働者に対して、参加可能となるよう、特別な休暇(ボランティア休暇等)や労働者の希望を前提とした年次有給休暇の半日単位の付与などについて検討することが求められます。

リフレッシュ休暇

職業生涯の節目に心身の疲労回復等を目的として付与される休暇です。日数などは様々ですが例えば、勤続3年ごとに5日間の休暇を付与することなどが考えられます。

裁判員休暇

労働者が裁判員等に選ばれた場合には、裁判員等の仕事に必要な休みを取ることは法律で認められています(労働基準法第7条)が、その休暇を有給休暇とするか無給休暇とするかは、各企業の判断に委ねられています。

労働者が裁判員として刑事裁判に参画することは「公の職務の執行」に当たり、裁判員の参加する刑事事件に関する法律第100条により、労働者が裁判員としての職務を行うための休暇を取得したこと等により、解雇その他不利益な取扱いをすることは禁止されています。

労働者が裁判員としての職務等を十分できるよう、「裁判員休暇制度」の導入を検討しましょう。

犯罪被害者等の被害回復のための休暇

犯罪被害者等の被害回復のための休暇とは、犯罪行為により被害を受けた被害者及びその家族等に対して、被害回復のために付与される休暇です。

例えば、犯罪被害による精神的ショックや身体の不調からの回復を目的として、1週間の休暇を付与することや、治療のための通院や警察での手続、裁判への出廷等のために利用できる休暇の付与などが考えられます。

いずれも、就業規則等への文言追加が必要となります。 <引用・参考サイト:働き方・休み方改善ポータルサイト

両立支援などに関する特別休暇

国は近年、育児や介護、病気治療など仕事とそれ以外のライフイベントの両立を支援するための制度や施策を進めています。

 一般的な育児休暇・介護休暇以外にも「育児目的休暇」や休暇とは少し違いますが「介護のための短時間勤務制度等の措置」など従業員としてはあると有難い休暇も特別休暇として存在します。

これらの特別休暇はあることで従業員が長く勤めやすいというメリットがあります。

従業員に長く働いてもらうためにもこれらライフイベントに直接かかわる休暇の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

各社の特徴的な特別休暇

ビル街

事例に関しては働き方・休み方改善ポータルサイトを参考にしています。

事例1 病気・看護の際に利用できるナイチンゲール休暇

本人の傷病や家族等の看護の際に利用できる休暇として年3日が有給で付与される。規定では、本人の他「家族・パートナー・共に人生を歩んでいきたい人」の看護のために使えると定めているので、家族関係にない相手(友人等)の看護の際も利用することができる。なお、半日単位での取得が可能。
導入企業:ライフネット生命保険株式会社

事例2 ダブルエール休暇

病気療養し復職後の治療と就業の両立をサポートする休暇として設定されていてて、年12日付与される有給の休暇を設定。がん治療のみならず、命にかかわる疾病と捉えた上で柔軟に運用できる体制を取っている。
導入企業:ライフネット生命保険株式会社

事例3 ライフサポート休暇

年次有給休暇とは別に、毎年5日を新規付与し、最大40日まで積立ができる。下記事由発生時にのみ利用可能な制度。  

  • 社員の通院・リハビリ 
  • 本人や妻の妊娠(つわりや通院付き添い) 
  • 子供の育児や学校行事への参加 
  • 介護や介護者の通院付き添いなど
導入企業:コマツ

事例4 災害休暇

居宅が火災・自然災害等に遭った際に10日を限度として取得可能な有給の特別休暇として設定。

導入企業:株式会社奥村組

特別休暇を導入までのステップ とポイント

階段を上る指

①特別休暇導入の目的を定める

まず、特別休暇を導入する場合、何のために導入するのかという目的が非常に重要になります。

上記の事例企業の例を見ても、特別休暇を導入することが従業員のライフイベントの手助けになったり、仕事との両立に役立つことが重要です。社内でのヒヤリングや現在の有給取得率なども見ながら導入する目的を考えていきます。

②制度設計

導入目的と概要が決定したら、実際の制度設計を行います。

  • 取得のための条件にはどのようなものを定めるか
  • 取得日数は年間/月間何日とするか(日数・勤続年数による変動の有無)
  • 有給か無給か
  • 取得のために必要な外部書類の有無(診断書等)が必要か
  • 就業規則にどのように記載するか
などです。

③運用と改善

制度設計を行って、実際に運用してみましょう。新規の特別休暇であれば社内に広報等行うことで認知度や取得要件を広めたり、実際に活用した社員の声を聞くなどして制度の改善に努めます。

特別休暇を導入している企業の中には、毎年社員へのヒヤリングを行い、制度の見直しを行っている企業もあるそうです。制度が形骸化せず、働きやすさに直結するよう改善を重ねていきましょう。


特別休暇は目的とニーズに合わせて運用することが重要です

ガッツポーズするビジネスマン

特別休暇は時代の流れや従業員のニーズに沿った運用が重要です。

 今後は特に育児・介護の両立支援はどの従業員にも関わってくる要素です。 そうしたライフイベントに合わせた制度設計ができれば、従業員も安心して長く勤めることができ、安定した職場になることが考えられます。

これを機に特別休暇制度を見直してみましょう。

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