• 健康経営
  • 2022.04.21

マインドフルネスとは?意味・瞑想方法・企業での導入効果を紹介

マインドフルネス
目次

メンタル対策として採用されている「マインドフルネス」

オフィスでマインドフルネス

現在も長引くコロナ禍において、従業員のメンタル対策が課題となっていませんか。次世代のメンタルトレーニングとして「マインドフルネス」が注目されています。マインドフルネスは、心の状態を受け入れたうえで自分を客観視することです。ストレスを低減し、生産性の向上も期待できるため導入企業が増えています。そこで今回は、マインドフルネスを紹介します。

マインドフルネスとは?

心の在り方

マインドフルネス(Mindfulness)は、「物事をありのまま受け入れる状態ができる心理」のことを指す言葉です。

現在、生活や仕事の質の改善に役立てる効果があるとして、アメリカでブームになっているメンタルトレーニングです。

実際に、グーグルやインテルなどの世界の企業が、マインドフルネスを研修に取り入れているほど効果があるとされています。

マインドフルネスの定義

マインドフルネスの定義は「いまここでの経験に、評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること」です。

定義の根源には、当然東洋的な禅や瞑想の影響があり、宗教色を排するために、マインドフルネスという言葉が使われました。

マインドフルネスの方法・瞑想との違いは?

マインドフルネスの状態になるための代表的な実践方法が瞑想です。

瞑想によって、心の中の雑念や感情を知り、取り除く過程を通じてマインドフルネスの状態に近づきます。

マインドフルネスは自身の気づきを得る状態であり、瞑想は方法であるという違いです。

瞑想以外の方法として、頭の中を整理するために書いていくジャーナリング、ゆっくり味わって食事をするマインドフル・イーティングなどがあります。

マインドフルネス効果とは?

マインドフルネス効果

マインドフルネスは、仕事力全般のパフォーマンスを向上させる万能の力を鍛えるメソッドと言えるでしょう。実際に働くビジネスパーソンにとって、マインドフルネスにはさまざまなメリットがあります。
集中力・想像力が向上するモチベーションや生産性がアップする意思決定能力が高まるストレスが低減するコミュニケーション能力が良くなり、人間関係が良くなるその中でも生産性向上とストレスの減少が、最大のメリットです。

生産性向上

マインドフルネスを導入するメリットは、従業員一人ひとりの生産性を向上させることでしょう。 実際目の前の業務に完全に集中できている時間は少なく、パフォーマンスが落ちている人も多いのではないでしょうか。
仕事をしている間でも「取引先にメールを送らないと」「今日締め切りの仕事やらなければ」「仕事の帰りに買い物に行こうかな」といったように、さまざまな思考に支配されています。集中すべき仕事ではなく別のことを考えていては、業務効率も落ちてしまいます。あちこち散乱してしまいがちな雑念や無駄な思考を排除し、いますべき事柄に注意を向けるスキルがマインドフルネスです。マインドフルネスを通じて、心の中を整理し意識を目の前の仕事に向けることで確実に集中できる状態になるでしょう。それにより従業員のパフォーマンスが向上し、生産性を高めることにつながります。

ストレス低減

マインドフルネスには、ストレスを低下させる効果があります。瞑想によって自分の中にある感情を知覚することで平静を保つことが可能です。マインドフルネスを習得する段階で、価値観の深堀を行い精神的安定を得ることにつながるでしょう。これらは、企業に大きな利潤を生むのではないでしょうか従業員に対するストレスコントロールや集中力の維持に関して、教育の必要性を痛感している企業の方は多いでしょう。マインドフルネスを行うことで、従業員のEQスキル向上につながり、自分の感情をコントロールし他者を思いやれる能力が向上します。マインドフルネスは、従業員一人ひとりの人間的魅力を底上げできる手段です。

マインドフルネスで注意の向け方を変える

これまでの自己啓発が「変わる」ことを目標としてきたのに対し、マインドフルネスは「いまこの瞬間を最大限に味わうこと」を重要視しています。
分かりやすく言えば、考え方を変えるよりも注意を変えることです。
そこで、考え方ではなく注意をどこに向けるかという方法がマインドフルネスです。
パフォーマンスの高い仕事を続けるためにも、集中力や注意をコントロールする重要性を知り自社に取り入れてはいかがでしょうか。

マインドフルネス実践方法

マインドフルネス実践方法
マインドフルネスにも様々な方法や種類がありますが、今回はオフィスで簡単にできるマインドフルネスの方法を紹介します。

集中力・記憶力・意思決定を鍛える「集中瞑想」

瞑想するうえで大切なことは、姿勢・呼吸・心です。
メンタルトレーニングをする際に、なぜ姿勢と呼吸も大切なのかと思うかもしれません。
それは姿勢や呼吸の乱れを見ることで、心の状態を察知できるためです。

例えば、大事なプレゼンの前、緊張状態にあると鼓動も早くなるでしょう。
緊張によって心が乱れてしまうと、姿勢や呼吸も乱れてしまいます。
失敗してしまった場合、その気分を引きずったままでは、プレゼンの内容は悪くなる一方です。
仕事上では負の感情を受け止め、感情に振り回されずただ事実と認識し、プレゼンに集中することが求められるでしょう。

集中瞑想手順

①姿勢
瞑想の姿勢といっても特別なものではなく、椅子に座っても立っていても問題ありません。
背筋を伸ばし、一度肩を落とすと良いでしょう。
普段猫背の人が背筋を伸ばそうとすると、緊張して肩が上がりがちです。
そこで、一度肩をすくめるように力を入れてから、脱力してストンと落とすと適切な姿勢をつくれるでしょう。
②呼吸
5秒くらいかけて鼻から息を吸い、10秒から15秒かけてゆっくりと鼻か口から吐いていきます。
③心(集中・観察)
呼吸や目の前にある対象物など、ひとつの対象に注意を集中して瞑想します。
初めて瞑想を行う方は、呼吸に集中するのがよいでしょう。
具体的には、呼吸の数を「ひとつ」「ふたつ」と数えていくと、呼吸に集中しやすく心も落ち着きます。
集中瞑想ポイント
瞑想をするうちに次の3つのプロセスを繰り返します。
ひとつの対象(呼吸)に目を向ける
しばらくするとつい別のことを考えて注意が散漫になる
再び、対象(呼吸)に注意を戻す
瞑想開始後は、呼吸に集中できていてもしばらくすると雑念が頭をよぎり、注意が散漫になるでしょう。
そういう時は、焦らず「いま、散漫になっている」と、落ち着いて自分自身を観察しましょう。
そしてまた呼吸に注意を戻し、1から3のプロセスを繰り返します。
一点集中を行い、拡散思考が湧いてきたら気づき、意識をシフトさせましょう。
姿勢・呼吸・心の3つに注意を向け、1日5分続けることが大切なポイントです。

マインドフルネス注意する点

仕事のパフォーマンスを向上させるマインドフルネスですが、注意点もいくつかあります。
うつ病など精神疾患を患っている方は、専門家の助言を受け、進めていくとよいでしょう。
また瞑想中に呼吸が深くなることで眠ってしまう方は、慢性的な睡眠不足の可能性があります。普段の睡眠不足を解消すると、さらに瞑想効果が高まります。


マインドフルネス企業で実施する方法

社員の理解を得る
ではどのように企業に取り入れていけばよいでしょうか。
いきなりマインドフルネスを実施しても、従業員が積極的に参加するとは言い難いでしょう。

「なぜマインドフルネスが必要なのか」「従業員にとってのメリットはなにか」を示すことが大切です。
また世界の企業だけでなく、日本の企業でも、トヨタ自動車やヤフーなどの企業が、マインドフルネスを導入しています。
それらの企業などを参考にするのも良いかもしれません。
マインドフルネスに関する本などもたくさん出版されていますので、興味のある方は一読されることをおすすめします。
参考文書:脳科学X瞑想で集中力が高まる「世界のエリートがやっている最高の休息法」
参考文書:働く人のためのマインドフルネス講座「疲れない悩をつくる習慣」

マインドフルネスとつながる健康経営

メンタルヘルス 従業員の満足度を高めるという点において、マインドフルネスと健康経営は通じるところがあるでしょう。
マインドフルネスでは、心の状態を整えることによって従業員の幸福度が高まります。健康経営では、健康面を企業がサポートすることによって従業員の満足度を高める取り組みです。
共に従業員に投資することによって、生産性向上に期待できるでしょう。また健康経営の取り組みもメンタルヘルスに注力した取り組みを行っています。

健康経営のメンタル対策

ストレスの発生に影響する要素である「心・睡眠・運動・食事」の整え方や見直しが、ストレスフリーな状態の実現に関係します。日々の生活が不安定であれば、やるべきことを効率的にこなすことも、集中して行うこともできないでしょう。
従業員のパフォーマンスを上げ、生産性を高めるための方法は、残念ながらありません。仕事力を高めるためには、日々に注意し改善しながら、規則正しい生活を送ることが大切です。従業員の健康を見直すことは、企業の足元を立て直すことではないでしょうか。従業員の健康を促進し、生産性に結びつける健康経営と従業員の意識を変容させるマインドフルネス、今後どちらも企業に必要な取り組みとなるでしょう。

まとめ

マインドフルネス会社 今回はマインドフルネスを紹介しました。マインドフルネスは、心の在り方を見直すことでストレス低下や生産性向上が期待できるメンタルトレーニングです。正しい姿勢で深い呼吸を行い、一点に注意を向けることでマインドフルネスの状態に近づきます。従業員のパフォーマンスを上げる効果があるため、現在多くの企業で導入が拡大されています。コロナ禍で不安を感じる今だからこそ、企業にとってマインドフルネスは有効なツールとなるでしょう。

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