• 健康経営
  • 2022.11.09

KJ法とは?アイデアを効率的にまとめる会議のコツを解説

Event Management
目次
みなさんは、会議を進行していく中で、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。

「アイデアを出し合うこと難しい」
「会議の内容がうまくまとまらない」

会議では、さまざまなアイデアを引き出すことが大切です。さらにアイデアをまとめる収束手法が欠かせないでしょう。今回は、会議のコツとなる収束手法、KJ法(ケージェーほう)についてご紹介します。 せっかくのアイデアがまとまらずに会議が終わってしまわないように、KJ法のやり方や手順について確認してみてください。

KJ法とは

KJ法

KJ法の由来

KJ法とは、東京工業大学名誉教授の川喜田二郎氏が考案したデータ収束手法です。KJ法のKJは考案者のイニシャルから「KJ法」と言います。

KJ法をわかりやすくいうと「アイデアを効率よくまとめること」

KJ法とは、アイデアやひらめきを効率よく整理・分析・図解などを用いて文章にまとめていく方法のことです。さらに、アイデア同士の関連性が見えてくることで、既存の要素の新しい組み合わせにつながります。

KJ法は、会議をより充実したものにするために多くの企業で活用されています。ホワイトボードなどのアイデアをまとめることができる場所、または付箋紙やペンがあれば実施することができます。

KJ法の成果を上げる「ブレインストーミング」

ブレインストーミング

KJ法の成果を上げるためにさまざまなアイデアやひらめきが必要となってきます。そこで知っておきたいのが「ブレインストーミング」です。

会議はアイデアの発散と収束で分ける

「会議の時間が成果に結びつかない」
「会議で意見が出ないのはなぜだろうか」

と会議について課題を抱えていませんか。
会議では、アイデアを自由に出し合う時間(発散)アイデアをまとめる時間(収束)で分けることがポイントです。
会議がうまくいかない原因として、アイデアの発散と収束を同時におこなっているケースが考えられます。

例えば、「なにか良いアイデアありませんか?」という問いに対して、発言がなくてもアイデアがないとは限らないということはよくあることです。

「意見はあるけど、良いアイデアかな」
「なんでもいいぞっと言っても、否定されるかも」

会議の参加者は、こんな風に感じている方も多いかもしれません。会議などでアイデアを出しても否定されてしまうと、次第にアイデアを出すのが嫌になってきます。
アイデアにはメリット・デメリットが必ずあることを当然と受け入れ、まずは、多様なアイデアを引き出すことが大切です。

アイデアを引き出す方法「ブレインストーミング」とは?

アイデアの発散は、否定しないで自由に出していくことがポイントです。この手法をブレインストーミング(Brainstorming)と言います。ブレインストーミングとは、集団で自由な意見を出し合い、新たなアイデアを生み出す方法のことです。

この方法によって、ひとりでは思いつかないような創造的なアイデアを生み出すことができるでしょう。

ブレインストーミングの意味

アメリカの広告代理店BBDO創設者であるアレックス・F・オズボーン氏によって考案されました。

ブレイン(brain)は悩
ストーム(storm)は嵐
「脳に嵐を巻き起こし、多様なアイデアを出す」ことを目的としています。略称の「ブレスト」で使われることもあります。

ブレインストーミング実践のポイント

①基本的に10人以下のグループで行う
②テーマを決める(参加者に共有する)
③テーマについて様々な意見を出し合う
④付箋紙などやカードを使いアイデアを書き出す

ブレインストーミング4つのルール

  1. 批判厳禁
  2. 自由な発言
  3. 質より量
  4. 結合改善

1.批判厳禁
参加者がアイデアを言った時に、どのような意見であってもアイデアを批判しないことです。批判すると発言をためらう人が出てしまいます。「そのアイデアは無理ではないか」と思ってもブレインストーミングの段階では、アイデアを出す時間だと認識しましょう。
2.自由な発言
思いついたことを自由に発言することを歓迎します。

「ほかの人にどう思われるかな」
「こんなことを言ったら笑われるかな」

などと参加者が考え込まないように、雰囲気づくりに重きを置きましょう。参加者が自由に発言できる場を設けることが、進行役の役割です。自由な発言が新しいアイデアにつながる可能性があるためです。
3.質より量
ブレインストーミングは、とにかく質にこだわらずたくさんアイデアを出すことが目的です。

「自分よりもっといいアイデアがあるかも」
「当たり前すぎるアイデアかな」

と悩んでいる参加者に向けて、まずはたくさんのアイデアを出すことが目的であることを伝えましょう。

「まずは20個アイデアを出してみましょう」など具体的な数を示すことも効果的です。
新しいアイデアを生み出すには、さまざまな角度からアイデアをたくさん集めることがポイントです。
4.結合改善
ほかの参加者のアイデアと自分のアイデアを統合させて、別の発想のアイデアとして生まれる可能性もあります。他の参加者のアイデアを聞いて、予想もしていなかった斬新なアイデアが浮かぶかもしれません。
人の意見に加えていくこともブレインストーミングの大切な要素です。

KJ法のやり方・手順

KJ法やり方

アイデアの収束方法KJ法の実践ポイントは、次の3つです。

  1. アイデアをグルーピングする
  2. 組み合わせたアイデアを練り上げる
  3. アイデアを文章化する

1.アイデアをグルーピングする

ブレインストーミングによって出たアイデアをグループに分けて情報を整理します。グルーピングする際には、広い視野でグループ化することにより、アイデアの全体像が見えてきます。グルーピングのポイントは次の通りです。

①アイデアをよく読んでアイデアの全体像をつかむ
②似ている内容同士のグループをつくる
③似ている意見がなければ1枚にしておく(無理にグループに入れない)
④グループの見出しをつける(小グループに分ける)
⑤小グループの見出しから類似性のあるグループを中グループ・大グループにまとめる(中グループ・大グループに分ける)

2.組み合わせたアイデアを練り上げる

グルーピングしたアイデアを図解化し、論理的に整理する作業に入ります。このアイデアを練り上げる作業がKJ法で最も大事な部分です。整理した情報を組み合わせて「さらによいアイデアはないかな」とまとめる時間です。
①グループ化した内容を関連性のあるグループごとに並べる(空間配置)
②図解化する(カード同士の関係性をわかりやすくする)

✅線でつなぐ
✅線で囲う
✅対立マーク(⇔)
✅同じマーク(=)

因果関係・相互関係・同値関係・原因・結果などを図解化して表すことを行っていきます。

3.アイデアを文章化する

図解化したアイデアを文章にしていきます。KJ法によって、さまざまなアイデアを図解化・文章化することにより、KJ法で新たなアイデアとして形になるでしょう。

KJ法のメリット

メリット

KJ法を会議で行うメリットは、次の3つです。

1.アイデアの可視化

さまざまなアイデアを見える形にすることにより、新たなアイデアの発想力が向上します。

2.論理的に結論に導く

アイデアの問題や課題を分解・整理することによって、論理的に結論を出すことに近づきます。アイデアを論理的に処理するため、わかりやすく伝えることができるでしょう。

3.創造性が向上する

図解を用いて論理的にアイデアを捉えることで、良い点や問題点を特定することができます。さまざまな角度からアイデアをまとめることで、より創造性の高いアイデアが生まれてくるでしょう。

KJ法のデメリット

デメリット KJ法は、アイデアを整理しまとめることに有効な手法です。しかし、KJ法を実践する際には、注意すべき点もあります。

1.アイデアは参加者に依存しやすい

 参加する人の考え方が偏っている場合、引き出されるアイデアも偏ってしまう可能性があります。メンバー構成を考える際に次の点に注意することによって、デメリットは解消できるでしょう。

 ✅さまざまな価値観を持った人を構成する
 ✅パワーバランスを適切に調整する
 ✅すべてのメンバーが自由に意見を言える環境に配慮する

 2.手間と時間がかかる

 KJ法のデメリットとして多く言われるのは、手間と時間がかかることです。参加者に書いてもらうカードを用意・整理・グループ化することは労力を要します。
さらに、IT化や新型コロナウイルスなどの影響によって、人が集まって話し合うという環境が整いにくいのが現状です。そこで、KJ法を行える無料ソフトやツールを活用することによって、デメリットの解消につながるでしょう。

KJ法に便利なツール

アプリ

マインドマップを無料利用できるソフト【Xmind】

Mac・Windows対応無料ソフトXMind
簡単に開始できる無料ソフトです。一人でも簡単にブレインストーミングとKJ法を開始できるので便利でしょう。

ストレスフリーなマインドマップソフト【FreeMind】

Mac・windows・Linux対応無料ソフトFreeMind
情報量が増えても動作が軽いためストレスなく動作ができます。さらにさまざまな形式(HTML・XHTML・PNG・JPEG・SVG・PDF・Flash)が可能です。

アイデアを自由に並べられるソフト【IdeaFragment2】

Windows向け無料ソフトIdeaFragment2
KJ法をそのままパソコン上でおこなっているような気分で操作できるのが特徴です。アイデアを画面上のカードに書き出して、カードを自由に移動することができます。アイデアがひらめいたらすぐにカードを追加し、カードをグループ化することも可能です。

KJ法を効果的に進める4つのポイント

ポイント

では、KJ法のメリットを生かし、会議を効果的に進めるために進行役はどうすればよいでしょうか。KJ法を効果的に進めるポイントは、次の4つです。

ポイント1:アイデアを否定しない

一番大事なのはアイデアを否定しないことです。アイデアを出してくれた参加者に対してポジティブに反応することを心掛けてみましょう。
非現実的な意見に対して「無理」と言ってしまいがちです。しかし、まずは意見を自由に出すことが、新たなアイデアに近づく第一歩と認識しましょう。
「できる・できないは関係なしに、自由に意見を出し合いましょう」などの声掛けなどを工夫してはいかがでしょうか。

ポイント2:発散と収束の考え方を共有する

参加者にKJ法について理解してもらうことも大切です。例えば、「まずは10分間アイデアを出し合い、その後で整理しましょう」など時間を分けることを提案しましょう。

ポイント3:呼び水となるアイデアを出してみる

「ちょっと無理かもしれませんが、こんなアイデアはどうですか」など、アイデアが広がるような意見を出してみるのもよいでしょう。意見が言いやすい雰囲気を積極的につくってみてください。

ポイント4:アイデアを整理するサポートを促す

アイデアを整理する際に、参加者に協力してもらうこともポイントです。進行役だけでなく参加者も積極的に論議することにより、よりよい形につながります。進行役と参加者の全員が一体となってKJ法を実践することが成果に結びつくでしょう。

KJ法と健康経営

残業

健康経営を推進する際にKJ法を活用することは効果的でしょう。健康経営の取り組みでは、現場の意見を拾いあげることが重要です。

例えば「残業について意見はないか?」と聞かれた際に、よい打開策が出ないというケースが多くあります。心の中に意見はあっても発言を躊躇する人は多いでしょう。

KJ法の4つのポイントを意識していくことで、健康経営の推進をさらに飛躍することができるでしょう。

KJ法を活用して、アイデアを効果的にまとめていこう!

今回は、KJ法について解説しました。アイデアを効果的にまとめるために、KJ法の活用がおすすめです。そのためには、多様なアイデアを集め・整理し、論理的にまとめましょう。会議を有効な時間にしたいという方の参考になれば幸いです。

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