• 健康経営
  • 2020.03.16 (最終更新日:2022.03.26)

適切な働き方実現に向けた取り組み

目次

適切な働き方実現に向けた取り組みを行い従業員の生産性をアップさせる

本項目は、従業員のワークライフバランスを維持・改善させる取り組みを促すことで、従業員のモチベーションの向上など、組織の活性化の取り組みを問うものである。
引用:健康経営優良法人 2020(中小規模法人部門)認定基準解説書

適切な働き方実現に向けた取り組みは、健康経営優良法人認定基準の第三項目「制度・施策実行」の中の「健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント」の中にある4つの項目のうちの1つです。健康経営有料法人に認定されるためには、この4つの項目のうち1項目を達成する必要があります。そのため、必ずしも「適切な働き方実現に向けた取り組み」をしなければいけないというわけではありませんが、オーバーワークを行う企業が多い中で、この取り組みはとても重要です。

適切な働き方実現に向けた取り組みを行う意味

働き方 「適切な働き方」を求めている人は、従業員、企業ともに潜在的にはあるかもしれませんが、各々に事情があり実現されていないことがほとんどです。
従業員側からすると、日々の給料だけでは足りないために残業を望んで行う人もいますし、企業側からすると人手不足のため受注した仕事をこなすためには残業を強いることになる場合もあるでしょう。

ですが、そうしたことを続けていると、従業員がいつまでも健康でいられるのでしょうか?若いうちであれば問題はないかもしれませんが、30代、40代、50代となってくると身体に不調が出てきてしまい、残業を望んでいた従業員は病院生活を送ることになって残業代どころか給料を得られない状態になることもありますし、企業側も人手不足だと言っているのに働き手が入院してしまいさらに人手不足になるということもあるのです。
それを避けるためにはどうしたらいいのかを考える項目とも言えます。

適切な働き方実現に向けた取り組みとはどういうものか

適切な働き方 一言で「適切な働き方」といっても、どういうものが適切な働き方なのかと言うと迷いますよね。例えば、組織として時間外勤務の縮減を行ったり、有給休暇取得の促進などが適切な働き方です。さらに言うなら、これを行うことで従業員の仕事と家庭生活の両立に向けた環境作りをするための取組ともいえます。

ただし、これらは一過性のものでは意味がありませんし不適合になります。超過勤務時間の把握をする事も大事ですが、把握しているだけではこの項目が達成されたとはいいません。把握をして、それを減らすためにどういった取り組みを行い、実際に減ったということが数字として出てくることが必要です。

適切な働き方実現に向けた取り組みに関する適合・不適合例

ここではどういったものが「適切な働き方」として適合するのか、不適合となるのかの例をご紹介します。

【適合例】

・定時消灯日・退出日(ノー残業デー等)の設定
・業務繁閑に応じた休業日や所定労働時間の設定
(例えば水曜日には 19 時に強制的に社内 PC の電源を切ることで業務時間の削減を実施など)
・年次有給休暇の取得を促進する取り組み
・法定を超える育児や介護のため等の短時間勤務
・従業員の労働時間適正化のためのアルバイト等の人員増員
・従業員の働き方改善を目的とした設備投資やシステム導入
・部下の超過勤務削減のため、部下の勤務状況を上司の査定評価に組み込む
・個々の従業員のワークライフバランス実現に合わせた適切な配置転換

【不適合例】

・特定の職種等、一部の従業員を対象とした取り組み
・育児介護休業法等の法定義務の遵守に留まる取り組み
・36 協定の範囲内に留まる取り組み

※「36協定」とは2019年4月1日から執行された「働き方改革関連法」の中の一つ。正式名称は「時間外・休日労働に関する協定届」で、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働及び休日勤務などを命じる場合、労組などと書面による協定を結び労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています
・超過勤務時間の把握
 →従業員の状態把握のみで具体的な対策をしていない場合は不適合となる

適切な働き方を実現し従業員のワークライフバランスを整える

ワークライフバランス 健康経営をするためにというだけではなく、今の時代は企業も従業員のワークライフバランスを考えるべき時代に入っています。適切な働き方がどういうものなのかを従業員が知る必要はありますが、それを実行できるのは企業です。
どうすれば従業員に適切な働き方をしてもらい、従業員のモチベーションを上げて生産性の効率を上げられるのかを、この項目をきっかけに取り組んでみるのはいかがでしょうか?

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