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  • 2019.09.29 (最終更新日:2022.03.26)

健康経営優良法人2019認定企業の取組事例|2020年から基準が変更に

目次

健康経営優良法人とは

健康診断

「健康経営優良法人」とは、以下の通り、従業員の健康保持・増進が、企業の業績向上などにつながる投資であるという考えから、従業員の健康管理に取り組み、特に優良な健康経営を実践しているとして日本健康会議から認定を受けた法人のことです。

健康経営優良法人制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目的としています。

引用元:経済産業省 「健康経営優良法人2019」認定法人が認定されました!

健康経営優良法人ホワイト500と中規模法人部門の2種類 

この制度は2017年から始まり、「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2種類で認定が行われます。
「大規模法人部門」は別名「ホワイト500」と呼ばれることも多く、規模の大きい企業や医療法人を対象としています。「中小規模法人部門」は、中小規模の企業を対象とした部門であり、保険者が推進する「健康宣言」に取り組んでいる企業から認定が行われます。この部門は申請時点での、従業員数によって決められ、「1年以上使用する予定で、週の労働時間が正社員の4分の3以上」という条件を満たしている場合は、正社員のみならずアルバイトやパートも含みます。

「大規模法人部門・ホワイト500」の場合

  • 製造業その他:301人以上
  • 卸売業:101人以上
  • 小売業:51人以上
  • 医療法人・サービス業:101人以上

「中小規模法人部門」の場合

  • 製造業その他:1人以上 300人以下
  • 卸売業:1人以上 100人以下
  • 小売業:1人以上 50人以下
  • 医療法人・サービス業:1人以上 100人以下

健康経営優良法人の認定基準 

健康経営優良法人の認定基準には、以下5つの大項目があり、実施必須のもの、決められた項目数を実施することが必要条件となるものがあります。また、「大規模法人部門・ホワイト500」と「中小規模法人部門」では認定の基準が異なります。

  1. 経営理念
  2. 組織体制
  3. 制度・施策実行
  4. 評価・改善
  5. 法令遵守・リスクマネジメント

「大規模法人部門・ホワイト500」の場合、認定には、認定要件の項目実施をクリアしていること、健康経営度調査の結果が回答法人全体の上位50%以内であることが必要です。
大項目の1.経営理念は、実施が必須で評価項目は「健康宣言の社内外への発信(マニュアルレポートや統合報告書等での発信)」です。
2.組織体制も実施が必須で評価項目は「健康づくり責任者が役員以上」「健保等保険者と連携」の2つです。
3.制度・施策実行には、「定期健診受診率(実質100%)」「コミュニケーションの促進に向けた取組」「食生活の改善に向けた取組」「不調者への対応に関する取組」など合計15項目+1項目があり、15項目の内12項目を実施することが要件となります。また、その15項目以外の残り1項目の評価項目「産業医または保健師が健康保持・増進の立案・検討に関与」は必須となっています。
4.評価・改善の「健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施」も必須で、5.法令遵守・リスクマネジメントの「定期健診を実施していること(自主申告)」「健保等保険者による特定健康診査・特定保健指導の実施(自主申告)」「50人以上の事業場におけるストレスチェックを実施していること(自主申告)」「従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告)」も必須となります。

「中小規模法人部門」の場合は、「大規模法人部門・ホワイト500」とは基準が違い、以下の認定要件を満たしていることが必要です。
1.経営理念の評価項目である「健康宣言の社内外への発信および経営者自身の健診受診」は必須となり、2.組織体制の「健康づくり担当者の設置」も必須です。
3.制度・施策実行は、「従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討」「健康経営の実施に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント」「従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策」の3つの中項目に分けられ、「従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討」では4項目の内の2項目以上の実施、「健康経営の実施に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント」では4項目の内の1項目を実施、「従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策」では、7項目の内3項目以上を実施することが必須です。
4.評価・改善では、「(求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供」が必須となり、5.法令遵守・リスクマネジメントでは、ホワイト500と同じく「定期健診を実施していること(自主申告)」「健保等保険者による特定健康診査・特定保健指導の実施(自主申告)」「50人以上の事業場におけるストレスチェックを実施していること(自主申告)」「従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告)」が必須になります。

健康経営優良法人2019と取組事例

健康経営優良法人

ここでは、健康経営アワード2019にて発表された、健康経営優良法人を「ホワイト500」「中規模法人部門」の部門別に紹介します。

健康経営優良法人ホワイト500に選定された企業 

「あいおいニッセイ同和損害保険株式会社」
この会社は、MS&ADインシュアランスグループホールディングス傘下の損害保険会社です。

健康経営優のための取組

  • 有給休暇の取得を実施
  • 健康維持のためのスマホアプリ提供
  • メンタルヘルスケアの実施

など

「イオン株式会社」
この会社は、「イオングループ」を総括する純粋持株会社です。

健康経営優のための取組

  • 健康ポータルサイトの導入
  • ストレスチェックの実施

など

「キユーピー株式会社」
キユーピー株式会社は、マヨネーズやドレッシングなどの調味料を主力とした食品メーカーです。

健康経営優のための取組

  • 歩き方講座
  • 身体能力テスト
  • 野菜摂取量が多い従業員の表彰

など

健康経営優良法人 中規模法人部門に選定された企業 

「株式会社ドコモ・プラスハーティ」
この会社は、障害者雇用を推進することを目的として設立された、株式会社NTTドコモの特例子会社です。

健康経営優のための取組

  • 社員と家族の健康づくり
  • 安全衛生の強化

など

「クロレラ工業株式会社」
クロレラ工業株式会社は、微生物を使用した健康食品や医薬品などを製造販売する企業です。

健康経営優のための取組

  • 「健康応援団」という企画チームの設置
  • 健康づくりができる環境づくり

など

健康経営優良法人2020の変更点と申請方法

健康経営優良法人2020

ここまで、健康経営優良法人2019について詳しく解説しましたが、健康経営優良法人2020からは、制度に一部変更点がありますので、以下で詳しく見ていきましょう。また、健康経営優良法人2020への申請方法も簡単に説明しますので、参考にしてください。

健康経営優良法人2020の変更点 

いままでは、健康経営優良法人の大規模法人部門全体を通称「ホワイト500」と呼んでいましたが、健康経営優良法人2020からは認定法人の内、健康経営度調査結果の上位500法人のみを通称「ホワイト500」として認定します。また、大規模法人部門の認定において、「健康経営度調査の結果が回答法人全体の上位50%以内」である、という要件は廃止されることとなりました。

健康経営優良法人2020への申請方法 

申請方法の流れは以下となります。

「大規模法人部門」の場合
1.「健康経営度調査」に回答

原則として調査票を電子媒体でお配りしており、調査票を入手するには、調査委託先からご案内する、専用URLにアクセスの上、各企業専用ID等を入力する必要があります。 上場企業は、調査受け付け開始時に調査依頼状等案内を発送しますので、そちらをご覧下さい。 非上場企業は、昨年度ご回答された企業・法人及び既に調査票発送依頼を行った企業・法人には受け付け開始時に調査依頼状等案内を発送しますので、そちらをご覧下さい。その他の企業・法人で調査開始時に発送が必要な場合は下記問合せ先まで御連絡下さい。専用URL、ID、パスワードを発行させて頂きます。

引用元:経済産業省 健康経営度調査について

2.健康経営優良法人(大規模法人部門)の申請書の受領
3.申請書の提出
4.健康経営優良法人認定委員会による審査
5.日本健康会議による認定

「中小規模法人部門」の場合
1.協会けんぽ等保険者が取り組む「健康宣言」事業に参加
2.「健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書」の作成
3.「健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書」の提出

提出先:
・健康保険組合、全国土木建築国民健康保険組合‥‥所属する保険者
・全国健康保険協会(協会けんぽ)、その他国民健康保険組合、共済組合等‥ ‥健康経営優良法人認定事務局
申請期間:平成30年8月31日~11月30日(消印有効)

引用元:経済産業省 健康経営度調査について

4.健康経営優良法人認定委員会による審査
5.日本健康会議による認定

まとめ

いかがでしたか?健康経営優良法人を取得するメリットは多く、年々その参加数は増加しています。
ブラック企業という言葉が世間に馴染んだ現在、給与や仕事内容だけでなく、労働環境がとても重視されるようになりました。健康経営優良法人に認定された企業は、求職者や従業員、その家族などに好印象を与え、従業員を大切にしている企業であるということから、中長期的に見ても成長が見込める企業という風に見られます。そのため、投資家からの信頼も得ることができるでしょう。今回ご紹介したことを参考にしながら、ぜひ、健康経営優良法人の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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