• 健康経営
  • 2020.11.03 (最終更新日:2022.03.26)

健康経営のストレスチェックを行う意味を理解する

目次

ストレスチェックで健康経営の舵取りができる

ストレスチェックは健康経営優良法人になるための認定基準の一つです。大規模法人でも中規模法人でも、どちらにも入っています。ただし、どちらとも選択項目になっているため、必ず行わなければいけないというわけではありません。ですが、2015年12月から、労働基準法第66条の10に基づいて、常時50人以上の従業員を抱える事業場での実施が義務付けられている検査です。健康経営優良法人に認定してもらうのに必須項目ではないから、必要がないとは言い切れません。

ただ現在は、法律として守らなければ刑罰にあたるものというわけではなく、努力義務に位置づけされているので、後回しになっている企業が多いというのも事実です。またストレスチェックは、1度行えば終わりではなく、毎年行う必要があります。

努力義務という中途半端な立ち位置にあるストレスチェックですが、正しく取り入れて分析をすれば、健康経営の舵取りがしやすくなる一面もあるということを忘れてはいけません。

そもそもストレスチェックは誰が行うのか

産業医 ストレスチェックを実施するのは経営者や人事担当者と間違えた覚え方をしている人もいますが、ストレスチェックを実施するのは産業医もしくは保健師などです。そして、ストレスチェックを行う義務が経営者にはありますが、従業員にはそれを行う義務はありません。つまり、会社としてストレスチェックを行うように伝えたとしても、従業員が断ることができるということです。

従業員がストレスチェックを行うのを嫌がる理由としては、それが出世に響く可能性があるからですが、実際には響くことはありません。なぜなら、産業医や保健師が実施したストレスチェックの個別の回答を、経営者、役員、人事など外部の人には見せてはいけないという決まりがあるためです。個別の回答を見ることができるのは、あくまで産業医、保健師と回答をした本人のみなので、ストレスチェックを行う時はこの辺りの説明も改めて行いたいものです。

ストレスチェックでわかることは?

ミーティング ストレスチェックという名称から、チェックを受けた人のストレス度が把握できるものというような、曖昧な認識しかしていない人がいます。ですが、ストレスチェックで出てくる数字を検証していけば、その企業の健康経営の方向性も見えてきます。

ストレスチェックで分かることは、対象者のストレス度合いではありますが、それが何によるストレスなのかも見えてくるというところに意味があります。例えば、物理的業務が多いためにストレスを抱えているのか、上司と折り合いがよくなかったり同僚との中が悪かったりする人間関係のストレスなのか、プライベートでのストレスなのか。

これを分解していけば、その企業でどんな健康経営を展開すれば、従業員の健康を守ることができるのかを考える指針の一つになります。経営者や役員、人事担当者は個別の結果を見ることはできませんが、全てを集計し終えた後の数字は見ることができるので、そこで判断が可能なのです。

高ストレス者を減らしてメンタルヘルスでの辞職を防ぐ

カウンセリング また、ストレスチェックで、高い数値を出した上位10%の人を高ストレス者とする判断の仕方があるのですが、高ストレス者になった人は、産業医や保健師が個別に呼び出してカウンセリングを行います。そこでストレスの原因となっているものを取り除くにはどうすればいいのかの相談をしていくのです。

一対一で話しをしていく中で、個人の会社への不満やストレスが軽減していけば、突然会社を辞めるというような人が減っていくのは当然ですよね。つまり、ストレスチェックを行うことで、辞職率を抑えることもできるということです。

努力義務だと軽く見ない方がいいストレスチェック

今回説明をしたように、ストレスチェックの役割は企業にとってとても重要なものです。労働基準法で努力義務程度だからと後回しにしていては、自社の経営をよくすることはできません。

また健康経営を行う上でも、認定基準としては選択式の一つであるストレスチェックですが、重要な役割を担っているということは説明をした通りです。まだ健康経営に踏み切っていない企業や、どうやって健康経営をしていけばいいのか悩んでいる企業は、このストレスチェックを実施して、その情報を分解して検証してみれば、自社にあった健康経営の方法が見つかるかもしれません。

今一度、ストレスチェックについて検討してみるのはいかがでしょうか?

関連コラム

問い合わせ
各種取材やサービスに関することなど、
お気軽に問い合わせください。