- 健康経営アドバイザー
- 2021.05.05 (最終更新日:2022.03.26)
会社の利潤を担う健康経営専門家(アドバイザー・エキスパートアドバイザー)の活用
会社の利潤を担う健康経営専門家(アドバイザー・エキスパートアドバイザー)の活用
健康経営とは、「健康」と「経営」の双方の観点から企業の利益を追求する中長期的な健康投資です。経済産業省ホームページより引用しますとこう書かれています。
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。経済産業省では、健康経営に係る各種顕彰制度として、平成26年度から「健康経営銘柄」の選定を行っており、平成28年度には「健康経営優良法人認定制度」を創設しました。優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」として社会的に評価を受けることができる環境を整備しています。なお、健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。
しかし企業は常に利益を追求しなければいけない立場です。したがって健康経営も利潤をゴールにしない健康経営はただの疫病予防活動になってしまいます。健康経営を通じて「いかに会社の戦力になってもらうために従業員に健康を維持してもらうか」そして将来的に従業員自ら健康を自己管理しパフォーマンス力の高い人材づくりをしていくというゴール設定が必要です。
健康経営の実践はあくまでも「会社の利益」のために行うことが成功のカギを握ります。そのために会社の現状・課題・分析をしっかり行い健康プログラムを行なうために「健康経営アドバイザーの活用」が重要になってきます。
健康経営専門家とは?
健康経営の専門家には、健康経営アドバイザーと健康経営エキスパートアドバイザーの資格を有した方がいます。どちらも健康経営の専門家ですが、それぞれの生業の違いがあります。健康経営エキスパートアドバイザーでは、中小企業診断士・社会保険労務士・保健師・健康運動指導士などの専門家が支援します。健康経営アドバイザーでは、健康経営普及者となる銀行・生損保会社担当者・心理カウンセラー等の専門家が支援します。
「健康」と「経営」の双方について専門性を持ち実践支援出来る人は限られているためそれぞれの専門家が健康経営の考え方・支援の実務を習得しチームで企業の実践支援にあたることを想定しています。それぞれ必要な専門家は企業によって違ってくるのでまずは健康経営診断で自社の課題等の把握が大切になってきます。「健康」と「経営」両方プラスになるような見方ができるのは、やはり健康経営アドバイザーです。
健康経営アドバイザーの存在意義
健康経営優良法人認定の申請書の作成もあります。これまで健康経営を行ってこなかった企業にとってはひとつひとつの項目や申請書の作成をどうすればいいのかがわからないというのが正直なところです。そんな時に頼りになるのが「健康経営アドバイザー」です。健康経営の担当者や経営者の負担を軽減します。わからないことに取り組むことは時間と労力の無駄が生じてしまいます。そんな時、健康経営アドバイザーは健康経営に関わる応用的な知識が豊富にあり健康経営の具体的な実践支援のための助言・提案、課題抽出、取組提案、取組計画づくり、PDCAなどについてアドバイスをすることができます。そして書類作成もポイントをまとめて作成をお手伝いするためこれから健康経営を行おうとしている企業にとってはとても心強い存在となります。
健康経営の取り組み企業の事例
会社の業績は好調ですが、超短期納期の注文が多く対応に苦慮している状態です。主戦力であるパート・アルバイトの女性の平均年齢がすでに60歳近くの従業員が多く体力的に無理ができない、、あた年金受給者も増えて残業等までやって稼ごうという意欲も低下している状況です。そろそろ退職も視野に入れている方も出てきました。
社長自身も60歳近くで後継者の育成もと考えていますがなかなか上手くいかない状況が続いていました。そんなベテランの彼女たちの高齢化(退職)は会社存続に関わってくる大問題に関わってくるということを気づかされた健康経営の取り組み企業様です。
そんな時に知人に運動指導士であり健康経営アドバイザーである方を紹介され取り組みを進めることしました。
主戦力であると考えているパートとアルバイトの健康維持増進にコストをかけて生産性をあげる取り組みをメインに健康プログラムを始めました。勤務時間が1日平均4時間程度だったので検診は会社では行なっていませんでした。
①全員勤務時間に会社負担で検診を行い「がん検診も実施」
②勤務時間(拘束時間)は平均して約1時間延長してもらい代わりに昼時にヘルシーなお弁当を会社希望者に負担で提供
③運動指導士である健康経営アドバイザーに週に2回手軽にできる運動を指導してもらう時間を勤務時間内に30分実施を行いました。こちらも希望者に自由参加の形で行いました。
④なんでも相談できる雰囲気づくりに配慮して社内相談室を設けるようにしました。
(FPや税理士に家計や年金相談、自身や家族の健康問題・親の介護のことなどでケアマネージャーの資格を持つ専門家に依頼)などをして気軽になんでも相談できるようにしました。
これらの取り組みを初めて約1年。健康経営の取り組みの前と後では会社の様子が一変したと感じています。ヘルシー弁当や運動のことで盛り上がることもあって以前より活気が出てきました。
それだけでなくさらなる大きな効果がありました。健康経営の取り組んでからベテラン女性の娘や孫に働かせたいと相談するようになりました。自分の孫や娘も入れる会社であれば辞めたいとは言わなくなりました。子育て中の世代でも働きやすい環境になっており、健康経営の取り組みはさらに加速していきました。ここにきて技術の継承が真の健康経営であると気づかされたと社長は言います。
実は高い縫製力の持つベテランのパート・アルバイトが会社を支えていたのです。偶然だったかもしれませんが健康経営への取り組みが技術継承のための次世代を呼び込むきっかけになったことは間違いありません。健康経営に取り組んだことで後継者の育成や事業承継を行うという展望を抱くような企業に変革していたこということになります。
これは健康経営成功の秘訣は健康プログラムが従業員にとって「やらされている」ではなく参加したい人が参加するというスタイルと「楽しい・簡単・手軽に」という要素がないと健康経営の取り組みも長続きしずに効果も薄れてしまいます。健康経営のゴールと同時に健康プログラムの実施方法も健康経営を継続していく上でとても大切になってきます。
会社の利益に健康経営どう生かしていくのか?
「健康は一日にしてならず」と同じで健康経営はすぐに結果がでるものではありません。中長期的な視点で取り組む必要があります。だからこそ自分たちの利益に健康経営どう生かしていくのかという視点で健康経営に取り組んでいく必要があります。目的を利潤としなければとても遠回りすることになります。そのために健康経営の専門家である健康経営アドバイザーの存在が必要になってきます。
健康経営を始めるならまず健康経営アドバイザーを検討してみてはいかがでしょうか?
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