• 健康経営
  • 2022.04.26

健康経営アドバイザーとは?制度の歴史や役割を紹介

目次

健康経営のナビゲーター役の「健康経営アドバイザー」

現在長引くコロナ禍において、企業の健康経営を支援する「健康経営アドバイザー」の資格が注目されています。

資格取得で悩んでいる方の中には「健康経営アドバイザーの歴史やニーズ」が気になるところでしょう。そこで今回は健康経営アドバイザーの発足の歴史を紹介します。

健康経営アドバイザーの歴史とは?

健康経営アドバイザーは、2016年に経済産業省から委託を受けて誕生した資格です。

以下東京商工会議所ホームページより引用文

健康経営アドバイザーは、健康経営の必要性を伝え、実践へのきっかけを作る普及・推進者です。

健康経営アドバイザー制度が発足された背景は、次の2つです。

  • 中小企業に健康経営が普及していないこと
  • 現場で健康経営を実施する具体的なノウハウが不足していること

これらの背景がきっかけになり、健康経営アドバイザー制度が確立されました。

健康経営の歴史

健康経営の歴史は、アメリカの経営学と心理学の専門家であるロバート・H・ローゼンがヘルシーカンパニーを提唱したことによるとされています。

日本では、2006年に健康経営研究会が発足し、アメリカのヘルシーカンパニーを「健康経営」と定義、登録商標しています。

健康経営とは、簡単に言いますと「企業の経営目的のために、従業員の健康に配慮する」取り組みです。

健康経営の考え方は、従業員の健康増進や労働衛生等への取り組みにかかる支出をコストではなく、経営的な投資として捉える経営戦略です。

現在、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に取り組む経営手法として大企業のみならず中小企業にも注目しています。

健康経営について詳しく知りたいという方は、こちらの記事でご覧ください。

関連リンク:健康経営とは?企業にとってのメリットと取り組む方法

健康経営アドバイザーの役割について

健康経営アドバイザーの役割は、健康経営の必要性を伝え、実践へのきっかけを作るナビゲーター役です。

健康経営の基本概念・社会的背景・実施メリット・一般的な取り組み事例・公的施策等を理解し、企業の経営者に説明できることが求められます。

さらに健康経営に取り組もうとする企業に対して、行政の施策や外部リソースなどの情報提供・実施支援を行う専門家です。

実際に「健康経営を始めたいけれども、どのように取り組めばよいのかわからない」などの声を伺います。

そんな時に、健康経営の実践を一緒に伴走する役割を担うのが健康経営アドバイザーです。まずは健康経営が注目されている背景を把握しましょう。

注目を集める健康経営の問題

健康経営が注目を集めている背景は、次の3つです。

  • 生産年齢人口の割合減少と従業員の高齢化
  • 深刻な人手不足
  • 国民医療費の増加

    ①生産年齢人口の割合減少

    働く人の割合が低くなり、労働力供給が減少するため生産能力が低下します。
  • さらに従業員の高齢化に伴い、病気や介護等により継続して働けなくなるリスクが高まっています。

    ②深刻な人手不足

    少子高齢化という日本の人口構造が、人出不足の要因となり、従業員一人当たりの業務負担を増加させる原因です。

    深刻な人手不足は、過重労働やハラスメントなど労働者の労働環境悪化につながってしまいます。

    ③国民医療費の増加

    医療費の増加は、労働環境悪化によって、労働者の健康が損なわれたことにより医療費が増大していることも要因です。

    さらに高齢化による国民医療費の増加が、企業の社会保険料負担につながり、企業の経営に大きな影響を与えています。日本の構造的な課題を背景に、上記の問題を解決に導く健康経営が不可欠と考える経営者が増え、健康経営への関心が高まっています。

    今、健康経営が求められる理由は?

    日本は、2025年には今の倍人が足りなくなると予想されるでしょう。

    よく言われるのが、AIによる生産性向上ですが、AIがすべてを解決するというのは楽観論であり、すべての業務が機械化できるとは言い難いです。

    さらに長時間労働がなく、有給休暇がとりやすいのは当たり前の社会になるため、今後はそれ以上に働きやすい環境を作ることが、人を集めるうえで不可欠になるでしょう。

    働き方に関するさまざまなに問題について解決の糸口となる「健康経営」がいま求められています。

    まとめ

    今回は、健康経営アドバイザーの歴史について紹介しました。

    健康経営アドバイザーの歴史は、誕生から6年余りですが、経済産業省が推進する事業のひとつとなるため信頼性が高く、今後さらにニーズが高まるでしょう。

    健康経営アドバイザーは、企業の経営者に健康経営の必要性とメリットを伝える健康経営のナビゲーター役です。

    自分のビジネスチャンスを広げ、さらに社会に貢献できる仕事となるのではないでしょうか。

    今回の記事で、健康経営アドバイザーの資格取得のきっかけとなれば幸いです。

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