• 健康づくり責任者
  • 2021.02.01 (最終更新日:2022.03.26)

これからの時代に必要なのが「健康」だからこそ従業員にも健康を

  • 株式会社えがお 常務取締役 兼 健康管理最高責任者
  • 北野 晶
  • 健康づくり責任者
  • 2021.02.01 (最終更新日:2022.03.26)

これからの時代に必要なのが「健康」だからこそ従業員にも健康を

  • 株式会社えがお 常務取締役 兼 健康管理最高責任者
  • 北野 晶
目次

健康経営優良法人の認証企業としての効果はどのようなものがあると思いますか?

弊社では、健康経営優良法人の認定が行われる前から、健康食品を扱う企業として、従業員が健康であることを第一に考え従業員の健康について対策を行ってきました。

そのような前提がある上で、認証企業としての効果で言えば、もともと健康革命(健康食品を通した予防医学による医療費削減)を起こそうとしていた弊社にとって、「健康」についての重要性を発信できる機会が増えたことです。健康経営という考え方の関心が社会的に高くなっていくことにも貢献できれば、会社としても個人としてもこれほど嬉しいことはありません。これからの高齢化社会に向けて、みんなで健康的な働き方ができるようになればと思っています。

認証企業で働く人のメリットは?

株式会社えがお 健康経営優良法人の認証企業として、今まで以上に自分たちの事業が世の中から求められているものに携わっていると感じることが出来ると思います。
それが従業員のやりがいにも繋がり、仕事の効率や生産性が高まることに繋がると考えています。

健康経営を始めたきっかけを教えてください

株式会社えがお 企業

健康について深く考えるようになったのは、弊社代表と私の共通の友人や代表の両親、私の父親が亡くなったことです。大切な人が病気で苦しんでいても、私たちには医者の話を聞くことしかできませんでした。治療にあたり食べ物や生活習慣についてなどを教えてもらったりもしましたが、病気になり入院をしてからでは遅い話でした。

ですが、そういった話を聞くうちに、自分たちのように後から後悔する人たちを減らしたいという思いが強くなり、健康食品を扱う事業を始めたという経緯があります。

そして、会社としても従業員には健康でいてほしいという強い想いがあり、健康食品を扱う企業として従業員自らが健康意識を高めることに重きを置いた経営を行うようになりました。

このような様々な取り組みをしていくうちに「健康経営」という言葉が社会でも注目されるようになり、私たちの経営スタイルが「健康経営」であることを改めて認識し、これまでの考え方や取り組みが間違っていなかったと実感しています。

どういった健康経営を行ってきたのでしょうか?

食道 弊社の特徴として、従業員の平均年齢が30代前半と若い社員が多いです。若い社員に話を聞くと、朝食を抜いたり、食事をコンビニで済ませたり、栄養のことを考えた食事をする人があまりいないことが分かりました。そのため、「健康」を考えた時に、まず重きを置いたのが「食事」でした。

弊社には「えがお健康食堂」という社員食堂があり、朝昼晩食事を提供しています。管理栄養士を常駐させ、必要な栄養を取れるような食事を提供しています。
健康的な食生活を食堂でとるようになれば、健康維持ができ、病気のリスクも減ると考えています。

また「食事」の他に重きを置いているのが「運動」です。階段利用ルールを設けたり、トレーニングジムを完備したりもしています。その他、サークル活動、スポーツイベント等も行い、積極的に体を動かせる場を設けて従業員の健康を促しています。

運動

健康に関する数値的な効果の図り方があればお聞かせください。また数値化が出来ない効果もお聞かせください

アンケート 弊社では、毎月全社員向けにアンケートを取っています。例えば「朝食を抜くことが週3回以上ありますか」「会社は風通しの良い組織だと感じますか」「健康に関する情報はどこで入手することが多いですか」などがあります。その他にも、仕事の生産性や残業時間、遅刻早退の項目もあり、それらの数値の変化に注目しています。

数値化できないものとしては、社員の声です。健康情報を発信している社内ブログでのコメントや、従業員同士の健康に関する情報交換が活発になってきたことです。

また、身体の健康だけでなく、心の健康も大切にしています。心の健康で大切なことは、コミュニケーションです。従業員同士のコミュニケーションもそうですし、上司と部下の関係性も重要です。こういった部分は数値化するのは難しいのですが、非常に重要だと捉えており、評価項目の一つにもしています。

コミュニケーションによって心の健康が保たれているからなのか、弊社のもう一つの特徴は従業員のボランティア精神がすごいということです。

少し前に起きた、九州の集中豪雨の時も、のべ200人の従業員が毎週ボランティアに行きましたし、募金活動にも快く参加してくれます。これらはトップが「やりなさい」と言って行わせているものではなく、従業員が自主的に行動していることです。

従業員が初めから持っている考え方なのかもしれませんが、入社してますますボランティア精神が高まり、弊社の風土になっていると感じます。
 

これから実践する企業に対して、アドバイスをお聞かせください

PDCA 大切なことは、社員がいて会社が成り立っているということです。だから、社員の幸せを考えることが、会社を存続・発展させることに繋がっていきます。そして、世の中をよくしていくのが会社の存在意義です。どのような形であれ、事業を通して健康に対する意識を広めていくことが世の中を良くしていくことに繋がっていくと思っています。

まずは、自分たちの健康課題は何なのかを把握し、自分たちにとっての「健康経営」の目的は何かを考えることが重要だと思います。そしてPDCAを回して日々改善していく。小さなことでも、それが従業員の健康づくりに繋がると信じて健康経営を始めてみていただきたいと思います。

後は忘れてはいけないのが、健康経営は担当者だけが取り組むものではないということです。経営層もそうですが、従業員一人ひとりが自分事として取り組むもの。そういった感覚を従業員に持ってもらうためにどうすればいいのかを考えるのが、経営層の課題ではないでしょうか。

健康経営は、従業員の声を吸い上げて、全員で取り組んでいくことで会社としても必ず良くなっていきます。そして、そういった会社が1社でも増えれば、社会がよくなっていくと思っています。健康経営は自社だけのものではありません。一人の力、一社の力では難しいことでも、みんなで協力し合って健康経営を深めていくことができれば大きな力となり、素晴らしい未来を引き寄せることができると私たちは信じています。

学生に対して、企業選びのポイントをお聞かせください

夢 心から味わえる喜びというのは、プライベートだけではなく仕事の中にこそあるのではないかと思っています。仕事を楽しみ、働く幸せを感じることで、自分自身が豊かになっていきます。自分の人生や夢を実現できる会社を選ぶといいのではないでしょうか。

そのために必要なことは、自分の人生や仕事に対して、「こんなことを実現したい」「こんな思いを叶えたい」という夢を掲げることです。そして、企業が目指している未来と自分が実現したい未来が重なる会社で働くことが、仕事を楽しみイキイキと働き続けるためにとても重要であると考えています。

従業員の夢を応援できる企業というのは、従業員を大切にしている企業です。自分自身の身体の健康だけでなく、心の健康も考えてくれる企業で働くことが自分自身の夢を実現できることに繋がります。そのような観点で企業を選ぶのもいいのではないでしょうか。

「にじいろ」に対するアドバイス

先日、健康経営をテーマにしてキングコングの西野さんが色々な方たちとタイアップしてコメントをしているのを見ました。健康経営は一部の企業だけが行っているものではなく、いよいよメディアも取り上げるテーマになってきたんだと思います。

健康は、全世界の人が理解すべきことだと思うので、もっと幅広い人たちに共有してほしいです。

有識者、会社のトップ、経営者だけが健康経営について知るのではなく、従業員の皆さんにも理解してもらえるように、広めていくことが、これからは必要だと思います。

健康は、どこまで自分事として捉えられるかが大事です。頭ではわかっていても、自分の生活習慣にあてはめられている人は、まだまだ少ないです。その辺りも、もっと理解が進むように広めていってもらえればと思います。

「健康」という考え方は、古代から私たち人間にとって重要なテーマの一つとして扱われてきました。奈良の大仏は当時の飢饉などを抑えたいという思いで作られたり、スペイン風邪が流行ったときも歴史の一つとして知ってはいるもののどこか他人事だったりしていました。ですが、2020年の新型コロナウイルスで世界が一変しました。

命を失った方もたくさんいます。その中には疾患を抱えていたり、生活習慣の影響により、免疫力が低い方もいらっしゃったのではないでしょうか。今も昔も、免疫力を高めるということが人間の最重要課題であると思っています。

私たちはこれからも世の中に貢献するため健康経営を広めていきます。

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