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- 健康づくり責任者
- 2022.12.13
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医療職を巻き込んだ ホワイト500取得企業が実践している健康経営
- DIC株式会社 総務人事部人事グループ マネジャー
- 地木楽 輝明
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医療職を巻き込んだ ホワイト500取得企業が実践している健康経営
- DIC株式会社 総務人事部人事グループ マネジャー
- 地木楽 輝明
- 目次
DICグループの健康経営宣言
DICグループの経営理念である、「絶えざるイノベーションにより豊かな価値を創造し、顧客と社会の持続可能な発展に貢献する」を実現するためには、その活動を支える社員が心身ともに健康でいきいきと働く事のできる環境を整備することが重要であると考えます。
DICグループは、社員の健康の維持・増進・並びに働きがいのある職場づくりを目指し、グループ一体となって積極的に取り組むことを宣言します。
健康経営を始めたきっかけ
きっかけとしては、健康経営優良法人の制度が始まり、各事業所で行っていた社員への取り組み内容をまとめてみたところから始まります。
これまで、各事業所で実践していた取り組みの内容を並べて見ると、新たに健康経営として施策を始めなくともよい事に気付きました。
事業所ごとのスポーツ大会やラジオ体操、労働衛生週間での経営層からのメッセージなどは以前から行っておりましたが、当然健康経営という名前ではやっていませんでした。
新たな取り組みを始めようと思うと、それを企画・推進する側の社員にとっては負担になる場合もあります。
その為当社では、各事業所が実施している取り組みを、全国の他の事業所と情報共有し事業所特性を踏まえたカスタマイズを加え健康施策として展開しています。
こだわりの健康経営(DIC株式会社ならではの健康経営)
当社はメンタルヘルス対策に力を入れています。
ストレスチェック制度が義務化される前の2012年よりメンタルヘルス専門の統括産業医を配置し、産業医と共に様々な対策を実施してきました。
その中でも特に意識しているポイントとして、なるべく早い段階から不調を訴える社員へのアプローチを実施しています。
昨今、在宅勤務が増えることでコミュニケーションが不足しがちとなり、知らず知らずの間にメンタル不調となっているケースが見られます。
メンタル不調を未然に防止する為に、オンラインでのセルフケア研修などを統括産業医と共に実施しています。
研修の参加率を上げるための工夫として、我々総務グループからの呼びかけ以外に、各事業所の医療職からも直接参加して頂くように働きかけてもらっています。
当社では、実施義務のないグループ会社でもストレスチェックを実施しメンタル不調の早期発見、職場環境の改善につなげています。実施後は高ストレス者の医師面談のほか、メンタルヘルス産業医によるフォローアップ研修なども適宜実施しています。
メンタル不調により休職となった場合には、スムーズな復職が出来るように復職プランを産業医と相談して進める対応もしています。
また、休職中も安心してお休みできるように制度の面でもバックアップしています。
未然予防や早期発見、復職までのサポートを充実させつつ、メンタル面に不安を抱えている社員が安心して相談してくれるような環境づくりを進めています。
フィジカルの健康にまつわる施策としては、不定期ですが腰痛予防の為のヨガレッスンをはじめとする、様々なオンラインセミナーを開催しています。
折角開催するオンラインレッスンですから、なるべく多くの方に参加してもらうため、レッスン後のアンケートの反応を見て次回レッスンの満足度を上げるように繋げていたり、工場の交換勤務制度で日中だとレッスンを受けられない夜間勤務の社員の為に、アーカイブ配信を見られるようにしております。
全国の事業所で健康経営を推進するにあたって心がけていることは?
全国の事業所を巻き込んで健康経営を推進するには、本社の担当者だけが頑張っても難しいです。
そこで各事業所の医療職を巻き込みつつ、高い専門的知見に基づくアイデアなども提案頂きながら取り組んでいます。
とはいえ、医療職のメンバーは健診準備や健診事後措置などがありとても忙しいので、少ない負担で効果を最大化することが重要です。
そのため、半年に一度オンラインにて事業所の医療職のメンバーと「健康経営推進ミーティング」を実施し事業所間の横のつながりを作る様に心掛けています。
各事業所の取り組み状況や今の課題などを共有し、新たな取り組みのヒントが生まれるようにし、様々な情報交換も行います。
同じ課題を抱える事業所で資料を共有したり、近い事業所同士で健康セミナーを共催したりと盛んに交流が生まれています。
また、本社の医療職からのアイデアで実施したのが、リアルでの交流です。
昨年本社事象所でコロナワクチンの職域接種を実施した際、会場運営のサポートとして出張していただき、本社の医療職と地方の医療職とで情報交換の機会を設けました
なかなか顔を合わせる機会が無いので対面での情報交換を通じて相互理解の場とすることが出来ました。
医療職のメンバーは、健康経営推進にはなくてはならない貴重な戦力になっています。
これまで健康経営を続けてきて苦労したことはなんですか?
健康経営を始めた当初は、本社の総務人事部が主導で実施していましたが、各種健康経営施策の取り組み成果は目に見える変化が掴めていない状態でした。
そこで、社員に近い存在である各事業所の医療職にも健康経営の推進を手伝ってもらおうと考えたのですが、当初はなかなか医療職を巻き込めていませんでした。
医療職の方は、日常の仕事も非常に大変で、すでにある仕事の他に健康経営の仕事を増やしてもらうことは非常にハードルが高かったです。
これまでは、施策の目的は説明しますが、本社からメールをポンと流して協力してもらっているだけでしたので、健康経営を本当に理解して協力してもらう事が難しかったのですが、医療職は意識が高いので、社員の為にとご理解いただき隙間時間で協力をしていただきました。
その体制を作るための取り組みとして健康経営推進ミーティングを始めました。
ミーティングでは事業所が抱えている課題を共有し皆で協力しようと呼びかけていますが、会議を開催する総務人事部としては、意見が出やすく相談しやすい雰囲気作りを心がけています。
今後、DIC株式会社が目指す健康経営の理想像
理想としては、社員自身が、自らの健康を意識して自走してほしいと考えています。
全ての社員が一丸となって取り組むまでには時間がかかりますが、多くの社員に喜んでもらえるような施策を考え実践していきたいと思います。
直近の目標としては、健康診断受診率100%を達成していきたいと思います。
受診率を上げるために医療職の方から受診勧奨してもらっていますが、どうしても受診しない社員には役員から直接受診勧奨してもらったりもしています。
健康診断で自らの健康状態を把握していただき、体調の変化にいち早く気付き、重症化予防につなげてほしいです。健康を失ってからでは遅いですから、若手社員の皆さんにも健康がいかに大切なものであるかを理解してもらうための取り組みにも注力していきます。
その他、注力したいと考えているのが禁煙施策です。
現在取り組みを強化しており、一部の事業所では屋内喫煙所を撤廃したり喫煙所の数を減らす取り組みをしています。
医療職のメンバーからはトップダウンの禁煙対策を推進することを求められていますので、今後の取り組みに向けた一層の検討が必要です。
他社の健康経営担当者へのアドバイスを送るとしたら
当社が健康経営を推進できているのは、医療職の皆さんの協力を得る事が出来たからだと考えています。
いかに味方を増やせるかが大切で、味方が増えると施策の出来る範囲や質も大きく変わっていくと実感しています。
健康経営を推進する同じチームの仲間として、医療職とも情報共有を密に行い社員の健康を第一に考えた施策を実行していくことが大切です。
今後は更に、経営層も巻き込むことを意識しながら進められたら良いと思います。
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