• 健康づくり責任者
  • 2022.12.13 (最終更新日:2022.12.19)

創業から続く家族主義 森下仁丹の「人」に寄り添う健康経営

  • 森下仁丹健康保険組合 事務長
  • 郡司かおる
  • 健康づくり責任者
  • 2022.12.13 (最終更新日:2022.12.19)

創業から続く家族主義 森下仁丹の「人」に寄り添う健康経営

  • 森下仁丹健康保険組合 事務長
  • 郡司かおる
株式会社森下仁丹 郡司様
目次

森下仁丹グループの健康宣言とは

森下仁丹グループは、従業員及びその家族の健康を重要な経営課題と捉え、グループ一丸となって、健康増進・疾病予防に取組むことを宣言します。
更に健康経営を実践することで、
1.健康産業に従事する企業グループとして、お客様から信頼され、必要とされる企業を目指します。
2.従業員一人ひとりが、健全で活き活きと仕事に取り組み、従業員の家族も含めて、充実した健康な人生が実現できるようサポートします。
3.全社的な環境整備に取り組み、労働災害の削減はもとより、安全で快適な職場環境の形成に努めます。

健康経営を始めたきっかけ

当社は明治26年創業と歴史がある会社です。過去の資料を読み解くと、健康経営という言葉が生まれるはるか昔の大正9年に、従業員とその家族合同での運動会を実施している記録が残されています。当時の資料には家族主義という言葉が記載されており、創業当初から、会社を上げて従業員とその家族の健康を大切にしている社風だったことがうかがえます。
森下仁丹健康保険組合は大正15年に設立され、当時から事業主である森下仁丹と連携して従業員の健康管理や健康増進を進めてきました。
人々の健康をサポートしている事業会社だからこそ、創業当初から従業員やその家族に向けて様々な取り組みを実施していますが、取り組み内容を様々なステークホルダーの方に情報発信していくことも、近年は力を注いでいます。

こだわりの健康経営(森下仁丹ならではの健康経営)

当社は健康保険組合が主幹となり、従業員やその家族の健康推進を進めています。
従業員一人ひとりの課題を把握し、個別に施策を進められているのが大きな特徴だと思っています。
その中でも特定保健指導には力を注いでいます。特徴として、特定保健指導を「栄養カウンセリング」と名称を変更していますが前向きな取り組みとしてとらえてほしい、誰でも気軽に参加できるイメージを持ってもらいたい、という思いで考えました。
また、40歳未満の従業員も、メタボ、メタボ予備軍に該当する従業員は、栄養カウンセリングの案内を行っています。 特定保健指導の終了率は、2018年度以降は95%以上と毎年高い水準をキープしており、時間をかけて丁寧に行うやり方が、当社には合っているのだと思います。
 また、早期から健康リテラシーを高めることを目的に、2021年度より、新入社員研修の一環として、栄養研修と個別の栄養カウンセリングを春と秋、各1回ずつ実施しています。さらに、30歳から5歳刻みを節目年齢とし、特に健康状態に問題がない従業員にも産業医面談を実施することを今年度からスタートしました。病気になってからではなく、病気になる前から自分の健康状態を理解することが大切だと考えています。
一方でウォーキングラリーや受動喫煙対策といった全社的な取り組みも並行して行っています。特に、ウォーキングラリーは10年以上前から実施している施策で、運動習慣の無い従業員でも自分のペースで気軽に参加できる施策です。
始めた当初は参加率がなかなか上がらず、インセンティブを工夫したりと苦労しました。参加率を上げるためには、インセンティブの付与も大切ですが、会社と協力して周知を徹底するなどの工夫も行い、近年は参加率、達成率ともに伸ばしてきました。また、2021年度からは社長が審査して表彰する「フォトジェニック賞」も創設し、参加促進とイベントの活性化を図りました。また、そもそも何故運動が必要なのか、を理解してもらう必要があると考え、情報発信の強化や、体組成計を使って自分の体の客観的にチェックする機会を設けることも計画しています。

これまで健康経営を続けてきて苦労したことはなんですか?

 健康経営は施策に対する効果がすぐに見えにくいので、何の為に施策を行うのか、コツコツと情報発信を行い、理解を得ることが大切だと考えています。情報発信の場としては、衛生委員会や、経営層が参加する健康保険組合の組合会も活用しています。
また、運営には、健康保険組合や会社の担当者だけでなく、産業医や管理栄養士といった産業保健スタッフとの連携も重要です。
2021年度から、新入社員研修のコンテンツとして、健康経営や会社の取り組みを紹介しています。このような草の根活動は確かに時間がかかりますが、健康経営を浸透させるために大切な活動と考えています

今後、森下仁丹が目指す健康経営の理想像

今後はさらなる女性従業員の活躍を目指し、女性特有の健康課題の改善に向き合いたいと考えています。
女性の健康課題に対するリテラシーを高めるために、2021年度には婦人科領域専門の医師を講師に招き、『女性の一生を考える』と題して女性ならではのヘルスケアをテーマとしたセミナーを開催しました。子宮頸がんワクチン、子宮頸がん検診・乳がん検診、PMS・月経困難症、ピル、更年期症状といった女性のライフステージにおける様々な健康課題を取り上げ、男性女性に関わらず従業員全員参加型のセミナーで学びを深めました。現在は従業員のリテラシーを高めるフェーズですが、マンツーマンでの相談窓口の検討や、制度面についても提案できればと考えています。また、男性、女性問わず、職場での活躍のイメージや働き方も多種多様ですので、ライフプランや健康について、学んだり、考えたりする機会を設けることも大切だと考えています。
働きやすさや働きがいを向上させる為にコミュニケーションや企業の体制を整え、従業員が生きがいをイメージできる健康経営を進めていきたいと思います。

他社の健康経営担当者へのアドバイス

常に意識していることは、私たちは従業員に向けて、健康はゴールではなくめざす自分になるためのツールだと伝えています。
皆、生活背景や習慣、資質は一人ひとり異なりますので、めざす姿も違うはずです。そのような中で取り組みを進めていくには、ぞれぞれの状況に合わせ、適切な働き掛けを個別に行うとともに、従業員の気持ちに寄り添い、思いやりを持って接することが重要だと考えています。
程よい距離感も大切で、時間をかけて関係性を醸成出来れば良いと思います。

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